∞8《インフィニティ・エイト》

 窓から強い光が差し込んでくる。

「……まぶし……カーテン外したのは失敗だったなぁ」

 玄関のチャイムを連打する音が聞こえてきた。

「夏美ー!  起きてるかー?」

 この声はリクだ。
 陸上部だからか、遠くにいても聞こえるくらい張りのある声を出す。

 二階にいる私の部屋まではっきり聞こえるほどに。

「最後に学校、見に行こうぜ!」

「リク、さすがに何度も押すのは迷惑だよ」

 ソラがリクをたしなめている。

 ぼんやりとした視界に、空っぽの部屋が入る。

 本棚も、机も、なくなった空っぽの部屋。

 剥き出しになった壁には、カレンダーや本棚の日焼けあとがついている。