喫茶店のモーニングと、フードコートのラーメン。
どちらも、豪華な料理ではない。それどころか、安かったり、シンプルだったり。
それでも、十分に満足感があった。
何より、東京では味わえないその土地の日常を味わえた。
「出張は、自分の知らない日常に触れられるご褒美だ」なんてことを言ったら、あの後輩はどんな顔をするだろうか。
ふと、そんなことを思っていると、その当人からタイミングよくメッセージが送られてきた。
『出張どうっすか? 俺のメール、役に立ちました?』
どうやら気になっていたらしい。
私は少し考えてから返信する。
『うん。いろいろありがとう。今日は、スガキヤに行ったよ。初めて行ったけど、なんだか、妙に癖になる感じだった』
送信すると、数秒で返事が来た。
『え? スガキヤ初? チェーン店だし、どこにでもあるのに』
『東京にはないらしいよ。スタッフの子が言ってた』
『マジっすか! たしかに、東京じゃ見かけないかも。普通すぎて盲点だった』
そのメッセージに、私は思わず笑ってしまった。
『明日は佐伯くんのお母さんのおすすめの店のモーニングに行く予定』
『朝から気合い入ってますね』
『まぁね。そのあと、名古屋で味仙と、きしめんを堪能する予定』
『やっぱ爆食系女子だ』
思わず吹き出してしまう。
『だから違うって』
ツッコミの返信をしたところで、私は画面を閉じた。
大きく伸びをする。
朝も早かったし、日中の忙しさもあって、身体はクタクタだ。
それでも、「明日には、また新たな出会いがある」と思うと、胸の高鳴りは抑えられない。
これだから、この仕事は辞められないのだ。
翌朝。
目覚ましが鳴るよりも早く目が覚めた。
とはいえ、いつもよりは遅めの起床。
泊りの出張は、こういう融通が利くところが良い。
身支度を整え、チェックアウトを済ませると、いざ目的の店へ。
佐伯の母親が贔屓にする喫茶店は、一宮駅から少し離れた住宅街の中にあった。
昨日訪れた店よりもさらに地元密着型といった雰囲気で、外観はまるで昔からある町の集会所のようだ。
恐る恐る扉を開ける。
ベルの音と同時に、香ばしいトーストの匂いが流れてきた。
「おはようございます」
店員の挨拶に促されるまま窓際の席へ座る。
周囲を見渡すと、客のほとんどは常連客らしかった。
新聞を広げる男性。
友人同士でおしゃべりを楽しむ女性たち。
コーヒーカップを片手に、静かに読書をしている人もいる。
大きな荷物を持っているのは、私くらいのものだ。
どちらも、豪華な料理ではない。それどころか、安かったり、シンプルだったり。
それでも、十分に満足感があった。
何より、東京では味わえないその土地の日常を味わえた。
「出張は、自分の知らない日常に触れられるご褒美だ」なんてことを言ったら、あの後輩はどんな顔をするだろうか。
ふと、そんなことを思っていると、その当人からタイミングよくメッセージが送られてきた。
『出張どうっすか? 俺のメール、役に立ちました?』
どうやら気になっていたらしい。
私は少し考えてから返信する。
『うん。いろいろありがとう。今日は、スガキヤに行ったよ。初めて行ったけど、なんだか、妙に癖になる感じだった』
送信すると、数秒で返事が来た。
『え? スガキヤ初? チェーン店だし、どこにでもあるのに』
『東京にはないらしいよ。スタッフの子が言ってた』
『マジっすか! たしかに、東京じゃ見かけないかも。普通すぎて盲点だった』
そのメッセージに、私は思わず笑ってしまった。
『明日は佐伯くんのお母さんのおすすめの店のモーニングに行く予定』
『朝から気合い入ってますね』
『まぁね。そのあと、名古屋で味仙と、きしめんを堪能する予定』
『やっぱ爆食系女子だ』
思わず吹き出してしまう。
『だから違うって』
ツッコミの返信をしたところで、私は画面を閉じた。
大きく伸びをする。
朝も早かったし、日中の忙しさもあって、身体はクタクタだ。
それでも、「明日には、また新たな出会いがある」と思うと、胸の高鳴りは抑えられない。
これだから、この仕事は辞められないのだ。
翌朝。
目覚ましが鳴るよりも早く目が覚めた。
とはいえ、いつもよりは遅めの起床。
泊りの出張は、こういう融通が利くところが良い。
身支度を整え、チェックアウトを済ませると、いざ目的の店へ。
佐伯の母親が贔屓にする喫茶店は、一宮駅から少し離れた住宅街の中にあった。
昨日訪れた店よりもさらに地元密着型といった雰囲気で、外観はまるで昔からある町の集会所のようだ。
恐る恐る扉を開ける。
ベルの音と同時に、香ばしいトーストの匂いが流れてきた。
「おはようございます」
店員の挨拶に促されるまま窓際の席へ座る。
周囲を見渡すと、客のほとんどは常連客らしかった。
新聞を広げる男性。
友人同士でおしゃべりを楽しむ女性たち。
コーヒーカップを片手に、静かに読書をしている人もいる。
大きな荷物を持っているのは、私くらいのものだ。



