今日こそ優一を惚れさせ―――
いや、せめてあの余裕な笑みを崩したい。
そもそも俺は、あいつの笑顔しか見ていない気がする。喜怒哀楽のほとんどが抜け落ちたような男だ、あいつは。いつも、にこにこ、にこにこと…………
もっと他に表情ないのか! ぬいぐるみの方が表情豊かだぞ!
季節は六月に移り変わり、じめじめした日が多くなった。
あの日から、俺は何度か優一を惚れさせようと頑張ったが、これが中々上手くいかない。最初は可愛いねと言っていた優一だが、今では、「惚れた惚れた、めっちゃ惚れたから」といい加減になってきている。
「―――今日の授業はここまで。今から自習なー! あんま騒ぐなよー」
今は数学の授業中。この授業が終われば、もう放課後だ。授業って、朝早くからよりもこういうお昼ご飯の後の方がだらけてしまったりする。だからか、みんないつもより眠そうだ。
だけど、一番の原因は梅雨に入ったからだろうな。最近は雨続きだし、空気もどこかどんよりしていて、クラスメイトたちのテンションも明らかに下がっている。
そんな生徒たちに気づいたのか、先生は早めに授業を切り上げた。毎回授業を早めに終わらせては、授業が進まなくなってしまうから、さすがに毎日こうではない。その分課題は多く出されるだろう。それでも学生の俺たちにとって、自習という名の自由時間は嬉しいものなのだ。
周りを見渡していても、教科書を開いてる生徒は少ない。先生にバレないように机の下でスマホを出してる人もいる。
(この時間に、優一の喜怒哀楽をどうにか引っ張り出す方法でも考えるか…………)
いや、せめてあの余裕な笑みを崩したい。
そもそも俺は、あいつの笑顔しか見ていない気がする。喜怒哀楽のほとんどが抜け落ちたような男だ、あいつは。いつも、にこにこ、にこにこと…………
もっと他に表情ないのか! ぬいぐるみの方が表情豊かだぞ!
季節は六月に移り変わり、じめじめした日が多くなった。
あの日から、俺は何度か優一を惚れさせようと頑張ったが、これが中々上手くいかない。最初は可愛いねと言っていた優一だが、今では、「惚れた惚れた、めっちゃ惚れたから」といい加減になってきている。
「―――今日の授業はここまで。今から自習なー! あんま騒ぐなよー」
今は数学の授業中。この授業が終われば、もう放課後だ。授業って、朝早くからよりもこういうお昼ご飯の後の方がだらけてしまったりする。だからか、みんないつもより眠そうだ。
だけど、一番の原因は梅雨に入ったからだろうな。最近は雨続きだし、空気もどこかどんよりしていて、クラスメイトたちのテンションも明らかに下がっている。
そんな生徒たちに気づいたのか、先生は早めに授業を切り上げた。毎回授業を早めに終わらせては、授業が進まなくなってしまうから、さすがに毎日こうではない。その分課題は多く出されるだろう。それでも学生の俺たちにとって、自習という名の自由時間は嬉しいものなのだ。
周りを見渡していても、教科書を開いてる生徒は少ない。先生にバレないように机の下でスマホを出してる人もいる。
(この時間に、優一の喜怒哀楽をどうにか引っ張り出す方法でも考えるか…………)
