木漏れ日の中の光

「ああ、はい。どちら様ですか? 私と会ったことありますか?」

 翔月は鈴子に聞くと、頷いた。

「詩と同じクラスの鈴子です。直接会ったのは初めてです。でも、詩が変わり始めたのはあなたのおかげだと思ってます」

 鈴子は礼をして、はっきりと口にした。

「……いや……」

 翔月は口をつぐむ。

「分かってるんです。放課後、あなたと会っていたのも知っています。私にはなにも言ってくれないから。さっき、教室出て行ったんです。翔月さんなら、なんとかできるかと思って……」

 鈴子は悔しそうに唇を噛みしめていた。

「……鈴子」

「ちゃんと見てくれる人がいるんだよ、詩」

 翔月は私になにも聞いてこなかった。

 私に何があったのかも聞かず、ただ私の傍にいてくれた。

「うん」

 私は素直に返事をした。

 翔月は私の頭をポンポンと優しく叩いて、私を慰めた。

 ただ翔月に頭を撫でてもらい、私は翔月の肩に頭を預けた。

 これだけでも、私は私でいられた気がした。

 数分後、私は翔月の肩から離れた。

「ゴメン。ありがとう」

 私は感謝を伝えて、目を擦った。

「大丈夫だよ。詩。全部を責めなくていいんだよ。私に教えてくれたじゃない」