木漏れ日の中の光

 そう言いかけようと、少し口を開けたが、詩は私の方に振り向いた。

「あ、もしかして、お腹空いてるんでしょ。どっか行く?」
 
 詩はスマホを触り、検索をし始めた。

「翔月?」

 詩が私を呼んだが、答えずに私は詩に駆け寄った。

 そのまま詩を抱きしめた。

「えー、なにどうした?」

 詩は急に私が抱きついてきたので、戸惑いながらも私の背中を手で優しくリズムよく叩いた。

「なにもない」

 私は強く抱きしめて、詩の肩に顔をつけて唇を噛みしめた。

 詩に何も言えない私が情けない。

 それと同時に、私に言えないほど、まだ詩はなにかを抱えているのかと思うと、気が気じゃない。

 詩に「ねぇ、どうしたの?」と聞かれるが、ただ私は詩の肩に顔を預けて、強く抱きしめた。

 これから、私、もっと詩の声を聞きたい。

 詩。ちゃんと聞くから。

 ねぇ、話してよと心の中で言い、目を瞑って願った。

 詩が私に話してくれますようにと。