木漏れ日の中の光

 どこか別の世界にいるようだった。

「詩?」

 私は詩を呼ぶと、すぐ顔を上げた。

「なに?」

「…いや…なんでもないよ」

 詩はなにかを隠すかのように手で左右に振った。

「気にしないで」と詩は言って、いつもの笑顔で私に微笑んだ。

「…そっか」

 私は返事をして、パフェをスプーンですくう。

「翔月」

「うん?」

「見えないなにかにさ、押し潰れそうになったらどうする?」

 詩は急に私に問いかけた。

「なんで、そんなこと聞くの? なんかあったの?」

 私はスプーンを置いて、真顔で詩を瞬きもせずに見た。

「…っなんでもないよ。あ、それより。翔月。推しはどうなってんの?」

「どうなってるって」

「…美月ちゃん好きなんでしょ。翔月」

「まぁ、うん。美月ちゃんね。美月ちゃんは相変わらずだよ。美容がメインだけど、友達…いや千世が付き合っている人がいるって言ってたな」

 脳内に浮かんだ。

 美月ちゃんの言葉。

「ふーん、なんか分からないけど、翔月楽しそうだね」

 自分から話を振っておいて、興味はないのか。

 ただ、私が推し活を楽しんでいるか確かめたかったんだ。

「まぁ、だね」