木漏れ日の中の光

「……翔月が話したくないなら、私は何も聞かない。でもね、こうしてマスクを取れるのは家族以外で翔月の前だけなんだよ。それは翔月もでしょ?」

 詩は頬杖をついて、ニコニコと私を見る。

「そうだけど…」

 私は下を向いて、黙った。

 でも、詩なら…

 これまで、詩にどれだけ支えられてきたか。

 常にマスクをしている同士。

 しかも、同級生。

 こんな偶然なんてない。

 言える相手がいるなんて――

「……詩…あのね……私」

 私は顔を上げて、マスクをするようになったきっかけを話し始めた。

 十分後

「…そっか」

 詩は頷いて、言葉を詰まらせた。

「…うん」

 私はただ頷いて、詩の顔を窺った。

 詩は固まって、何も言ってこなかった。

 私は下を向いて、どうしようもないこの想いをかき消そうかと思ったとき、詩が声を出した。

「翔月!」

「あ、はい」

「私がなんか言うと思った?」

 詩はふふふと優しく微笑んだ。

「あ、いや…」

 私は戸惑って、あいまいな返事をした。

「翔月には私、助けてもらってるんだから。当たり前でしょ。私、心配してたんだよね」