木漏れ日の中の光

 私は上を見上げて、少しずつ歩き始めた。

 その時、バンっと鈍い音がした。

 音とともに顔を向けると、そこには私と同い年くらいの女の子が倒れていた。

「あ、ごめんなさい」

 私は謝ると、女の子はうーんと唸りながらすぐ起き上がった。

「大丈夫だよ。あなたは怪我ない?」

 自分の腰を手で払ってから、すぐ私のところに駆けつけた。

 なんて、優しいんだろう。

「だ、大丈夫」

「そっか……それならよかった」

 女の子は背負っていたリュックから何かを取り出していた。

 なにを出すのだろうと思っていたら、女の子は小さめな鏡を取り出して、自分の髪を整えていた。

 あ、倒れたから。

 髪を崩れていないか確認したのか。

 私はそのまま女の子のことを見て、立ちつくした。

 その時、女の子は鏡を閉じてから、私の方へ振り向いた。

「あのさ……もしかして、ひとりで来てるの?」

「あ、うん。そうだけど。なんで?」

 私は首を傾げて、女の子の様子を窺う。

「……じゃあ、一緒にライブ行かない?」

「え? 親は?」

 私と同学年の子は親と来ている。

 でも、この子もそうじゃないのか。