木漏れ日の中の光

 それを見た志津香ちゃんは店員に「私、対応しますよ」と声を掛けていた。

 店員が「ありがとう」と両手を合わせて、早足で別の仕事へと行った。

「お待たせしました。お会計になりますよね。こちらです」

 志津香ちゃんはあくまでも店員として、私たちに接してきた。

「それぞれ、一九八〇円になります。お会計は別々にしますか? 一緒にしますか? どちらになさいますか」

 志津香ちゃんは言葉遣いが丁寧で、きめ細かい配慮もできて、店員としては満点だと思う。

 アルバイトもしたことのない私が考えることではないが、とにかく嫌味がなく清々しい。

「一緒でお願いします」

 翔月は胸ポケットにあったスマホを出して、キャッシュ決済をした。

「翔月、私も払うよ」

「……いいよ。次会った時でも。今日はおごりたい気分なの。ねぇ?」

 翔月は目を細めて、私に優しく微笑んでいる。

「……ありがとう」

 私も翔月の笑みにつられて、笑った。

「うん。じゃあ行こう」

 翔月はスマホを胸ポケットに入れて、店を出ようとした。

 すると、志津香ちゃんが小さい声で私に尋ねた。

「……詩って…こんなに笑ってた?」