木漏れ日の中の光

 私はフォークで麺を回しながら、翔月を見て、クスクスと笑った。

「よかった。ようやく笑った。やっぱり、食べ物は正義だよね」

 翔月は私と目を合わせてから、巻いた麺を大きい口に入れていた。

 店内はさっきよりも混んでいて、私たちも早く出た方がいい気がしてきた。

 待っている人には申し訳ないが、まだ居座りたい気分だった。

「……そうだね」

 確かに。私、普通に笑っている。

 自分の顔を触ると、笑った感触があった。

「……詩、食べ終わったらさ。なんか用事ある?」

 先ほど、店員が持ってきた紅茶を翔月は、一気に飲み干してから、私に言った。

「……いや……なにもないよ。どこか行きたいところあるの?」

 私もジャスミン茶を一口飲んで、翔月を眺める。

「……うん。ちょっと行きたいところあって」

 翔月はスマホを触ってから、口角を緩めた。

「分かった」

 私は頷き、食べ終わったので鞄から財布を出して立ち上がった。

 それと同時に翔月も立ち上がり、鞄を持ち、会計へと一緒に行った。

「お会計ですね。少々お待ちください」

 他の仕事があるのか店員は私たちに礼をしてから急いでどこかに行こうとしていた。