木漏れ日の中の光

「あ、あの……ランチセット、二つお持ちしました。えーと」

 店員は困ったように眉をひそめていた。

二人を交互に見て、置いたらいいのか分からず、戸惑っていた。

「あ、置いてもらって大丈夫です」

 翔月はすぐに手を離して、表向きの顔で振る舞っていた。

「……あ、はい。では、ランチセット二つです。ドリンクの方は食前・食後どちらがいいでしょうか?」

 店員はニコリと口角をあげたまま、仕事モードへ切り替えていた。

「じゃあ、食前でいいです。詩もそれでいい?」

「うん」

「では、すぐお持ちします。失礼致します」

 店員は礼をしてから、持ち場へと戻った。

 店員が去った後、私たちはお互いに顔を見合わせながらプッと噴き出した。

「めっちゃ、困ってたね」

 翔月は口元に手を当てて、面白そうに笑った。

「うん」

 私は口を緩ませて、返事をした。

 店内では人の話し声がざわざわと騒がしく、みんな話に夢中だった。

 私たちを見ている人なんて一人もいなかった。

「……みんな、自分のことしか頭にないよね」

 私は頬杖をついて、ポツリと呟いた。

「まぁね。みんな日々の生活で忙しいからね」

「……だね」

 なんだか、悲しくなった。