もう一人の友達が、飴をボリボリと歯で噛みながら言う。
「ねぇ?」
友達は女子クラスメイトと目を合わせながら、にこりと微笑んだ。
私は廊下側の席で頬杖をつき、後ろの声に耳を傾けた。
そう、少なくなっている。
ニュースでコロナ数の推計を示さなくなり、コロナは終息を迎えようとしていた。
*
コロナ患者は少なくなったが、今でも私はマスクをしている。
「はっくしょん」
くしゃみをしながらも、私は学校へと向かった。
玄関のドアを開けて、ひとりで「行ってきます」と呟いて家を出た。
「はぁ」
毎日、ため息ついているなぁ。
「遠いな」
学校までは遠いので、近所にあるバス停で待っていれば、通学バスが来てくれる。
そこまでに歩けば、あとは学校に着くだけだ。
バス停に着き、待っているとバスがやってきた。
バスが止まり、ドアが開くのをしばし待っていると、運転手がおはようございますと活気に満ちた声で言っていた。
「…おはようございます」
私は軽く礼をして挨拶をした。
運転手は年配の男性で去年から務めるようになったという。



