木漏れ日の中の光

 涙が止まるまで、私は翔月の背中に腕を回した。

「……っありがとう。大丈夫、ありがとう」

 翔月は目元を拭って、私の肩に手を置いてから、少し離れた。

「…それなら、うん、よかった」

 私は翔月と向き合った。

 マスクが鼻下まで下がっていたので元に戻して、翔月は目を細めて微笑んだ。

 まだ、笑い方がぎこちないが、さっきより笑えている。

「じゃあ、私こっち行くから」

 そう言って、私は立ち去ろうとした時、腕を掴まれた。

「え?」

 私は驚き、掴まっている腕の方を見てから、翔月に顔を向ける。

「詩。本当ありがとう。だから、詩も自分をさらけ出していいんだからね」

 翔月は「じゃあ」と言って駆けていき、私はその場に立ちつくした。

 自分をさらけ出す。

 私が一番苦手としていること。

 どうやって、自分を出すの?

 私は翔月みたいに“自分”を出すことがぴんときていない。

 私も出せるなら出したい。

 どうやって?

「……ねぇ、どうやったらいい?」

 誰かに問いかける訳でもなく、ただ見えない何かに問いかけた。

 そうしないと、私が私でいられない。

 私は拳を握りしめて、唇を噛みしめた。

 遠い遠い私がこう言っていると思いたい。

 今は辛くても、未来は明るいよって。