木漏れ日の中の光

「これから、図書館で好きなものを探してもらいます。本を借りられたら、教室に戻ってまとめてもいいですし、図書館にいても構いません。まずは、一冊でも本を借りてください。では、始めてください」

 黒メガネをくいッとあげてから、学年主任は艶のある黒短髪を手でとかして、他の職員と仕事の話をしていた。

「私たちも、どこか見る?」

 私は隣にいた鈴子に小さい声で囁いた。

「うーん、私はあっち見てくる。花染はどうすんの?」

「私はここらへん、見るから。あとで」

 今の場所を指さして、ゆっくりと鈴子に言う。

「オッケー。じゃあ、あとで」

 鈴子は手を振って、自分が興味あるものを探し求めに行った。

 私も手を振って前を向き直した。

 目の前には翔月がいた。

「翔月」

 翔月はどこか元気がないようで、クマも少しできていて、無理に笑っているように見えた。

「詩」

「…翔月、どうしたの? 連絡ないから」

 私は翔月に駆け寄り、顔色が悪い彼女を心配した。

「……ゴメン。連絡しようと思ったんだけど、なんかしていいのかなって思って……」

 頬をかきながら翔月はため息を吐いて、私から顔をそむけた。