翔月は既読がついたまま、返事をしなかった。どうしたんだろう。
私はスマホを片手に持ち、画面を眺めていた。
「もうそろそろ、先生来るよ。花染」
「うーん…」
スマホを弄ったまま、返事をする。
ガラッと扉が大きく開く音が教室に響き渡る。
その音で、クラスメイトはスマホをしまったり、友達と話すのをやめていた。
「午前中にも言いましたが、午後は合同の図書館授業です。高校三年の一~五組までのクラスが図書館で自分の関心のあるものを調べて、まとめてもらいます。来週の木曜日までに提出してください。今から渡すプリント全部に書いてくださいね。はい。じゃあ、移動!」
バンと手を叩いてから、動かないクラスメイトに「はい、移動だよ」と口々に言い、みんなが教室から出るまで見守っていた。
私と鈴子は授業まで時間があったので、図書館までゆっくりと移動した。
図書館に行くと、大勢の同級生たちが友達と話をしていたり、大笑いしていた。
「はいはい、静かにしてください」
学年主任が大きい声で全員に言い、静まり返った。
学年主任は怒らせると厄介な人物だ。
同級生たちは、敵に回したら話が長くなることをよく分かっているので、すぐに大人しくなる。



