木漏れ日の中の光

 階段を降りて、廊下を歩いていたら、翔月とすれ違った。

 私たちは目が合った。

 すれ違った瞬間、小指を触れ合わせ、前を向いた。

「花染。立ち止まって、どうした?」

 鈴子が立ち止まっている私に不思議そうに話しかけてきた。

 私は翔月の背中を見つめた後、鈴子とバスへ早足で向かった。

 下駄箱で靴を履き替えていると、スマホのバイブ音が鳴った。

 スカートのポケットに入れていたスマホを手で取り出して、通知画面を開く。

“詩。今日、なんか疲れてない? 大丈夫?“

 インスタのDMの通知が一件あった。

 翔月だ。

“…大丈夫だよ。ちょっと疲れただけ”

 私は文字を打ち込み、メッセージを送った。

「花染。バスの時間遅れるよ。急いで」

 靴を履き替え終わっていた鈴子は玄関前にいた。

「ゴメン。今、行く」

 私はスカートのポケットにスマホをしまい、急いでバス停へ走った。

 遅れると、次のバス時間まで一時間空いてしまう。

 無事にバスに乗り込み、座席に座ることができた。

「ふぅ」

 席に座ることができて、一息つくと、またスマホを取り出した。

「…花染。最近、変じゃない?」