木漏れ日の中の光

「分かった」

 水篠さんは返事をして、私の隣に座った。

「ここでいい?」

「うん、大丈夫」

「無理してない?」

 前を向いたまま、私に質問してきた。

 こういう、人を配慮してくれるところ、いいな。

 私は本当に無理していない。

 むしろ、家より居心地がいい。

 否定も肯定もされないこの空間が、私が私でいられる場所のような気がする。

「……無理してない。むしろ、自然体でいられる気がする」

「え?」

 水篠さんは私の方を振り向き、目を見開いた。

「あ、そうなんだ」

「……水篠さんこそどうなんですか?」

 人前でマスクを外したくない、人の視線が気になるという理由でしている。

 でも、水篠さんは違う。

 推しにバレたくなくて、マスクをしている。

 普通に生活していても、マスクをしていても気にならなそうなのに。

「配信アプリで見てるとさ、大体。固定ファンがいるから。生配信ならなおさら、わかっちゃうんだよね、顔も中身もバレちゃう。
あ、こういうの好きだよねって。だから、バレたくない」

 うーん、全くもって分からない。

 そもそも、私が配信アプリを詳しくないので、一ミリも理解ができない。