木漏れ日の中の光

「じゃあ、今用意するから。待ってて」

 水篠さんは柔らかな透き通った声で少し微笑んでから、飲み物を用意した。

 私は椅子に座り、じっと両手を膝につけて、そわそわしながら待っていた。

 なんか、むずがゆい。

 面と向かって話すのは、初めて会った以来か。

 それ以来、学校とかでも会わなかったし。

 春休みに入ってすぐに、会うとは思わなかった。

 案外、近くに住んでいるのか。

 それにしても、一人で住むには広くないか。

 ご両親や兄弟はいないのかな。

「はい、お待たせ。これって飲める?」

 私の手元に置かれたのは、温かい紅茶だった。

「今、手元にこれしかなくて。飲める?」

 向かい側に水篠さんが座りこみ、私を窺うように聞いてくる。

「…飲める、大丈夫」

 私はこくりと頷き、翔月は嬉しそうに足を組んでいた。

「…ねぇ、このまま飲む? 私、席外す?」

 私はマスクをしたまま、カップに手をつけないでいた。

 それに気づいて、水篠さんは声をかけた。

「そうして、もらえると助かる」

 水篠さんは席を外して、近くにあったソファーに座り込んだ。

「…ありがとう。…水篠さんはなんでマスクしてるの?」