木漏れ日の中の光

 我慢させているのが悪いとは思ってたけど、いつもは鈴子の話を聞いているのでお互い様だと思うようにして、私は自分の話を続けた。

 バスの車内でコソコソと話すのはどんな工夫をしても難しいところがあった。

 私が言いづらいことがあったので途中からスマホで会話をした。

 やりとりは長く続いて、もう少しで学校に着きそうな頃に私と鈴子の会話は終わった。

 私のマスクのこと、家族のことなどをすべてではないが、大雑把にかみ砕いて文章を打ち込んだ。

 話を聞いた鈴子は顔をしかめていた。

 この反応はどっちだ?

 詩はこんなことを考えているのか?

 え? 嘘でしょ?

 どっち?

 私はハラハラしながら、鈴子の様子を凝視した。

 すると、鈴子は腕を組んで考え込んでいた。少し口を開いて、私に顔を向けて声に出した。

「詩。私は詩のことすべては分からない。初めて詩の声聞けた気がする。詩は詩ってこと気づけてよかった」

 鈴子は言葉を選びながら、私に伝えてきた。

 私の話が終わったあと、鈴子の手を見ると、手の甲が真っ赤になっていた。

 鈴子に無理させたな。

 私の話を聞いて、鈴子は安心したように見えた。