木漏れ日の中の光

「そう言ってるほど、詩は構ってほしいのは分かってるよ。何年ずっとお兄ちゃんしてると思ってんの。切なそうに俯いてる姿見てほっておくのはもう御免だから」

 兄さんは私の頭を撫でてから、私をそっと抱きしめた。

「兄さん」

 私は温もりのある胸の中で呟き、また涙が溢れ出てきた。

「本当にごめんな、詩」

 たくさんの涙がさっきも出ていたのに、それ以上の涙がポロポロと雪崩のように流れてきた。

 今までの兄さんとの思い出と自分自身の苦しみが交互に押し寄せてきた。

 胸の奥から感情が溢れ出し、無意識に子どものように兄さんの胸の中で泣きわめいた。

 兄さんはずっと私の背中を擦って、「ごめんな」と切なそうに目を伏せて言っていた。 

 兄さんが社会人になってからは、疎遠だった。

 兄さんとはもう分かち合えないだろう。

 母さんと結託してるならと思っていた。

 でも、違った。

 ちゃんと私の味方でいてくれたことに、安心感と優しさを感じた。

「もう詩には我慢させないようにするよ」

 兄さんは私を少し強く抱きしめて、私は数分このままでいた。