木漏れ日の中の光

 母さんは私たちの言葉を受けとめたと思っているのだろうか。

 いくつもの質問を一呼吸置かずに、一気に捲し上げた。

 母さんは変わらない。

 私たちの言葉は届いているようで届いていない。

 私と兄さんはお互い目を合わせて、またギュッと強く手を握った。

 ここで負けたら、私たちは私たちらしくいられないと感じた。

「私は将来のことは分からないよ。今も何をしたいのか分からない。だけど、人が怖くならないように努力したい気持ちはある。それだけでもいい? 母さんが思う答えとは違うと思うけど」

 私は母さんに負けじと目を見開き、今の気持ちをぶつけた。

「俺も詩と同じ。今は休んでるけど、少しずつ、うつの症状はよくなってきている。仕事はまだ決まってないけど、自分らしく働けるところ見つけようと思ってる。だから、俺たちを見守ってほしい。お願いします」

 兄さんは九〇度の角度でお辞儀をした。

 その姿を見た母さんは慌てて、兄さんの元へ駆け寄った。

「お兄ちゃん。そんな謝らないで。私、謝らせるために言った訳じゃない」

「そういうなら、詩にも謝って。俺だけに言ってるんじゃないなら、謝って」