木漏れ日の中の光

「……私だって……マスク取りたい!」

 大きい声で私は二人に言う。

 急に声を出したので、二人とも私に顔を向けた。

「詩? どうしたの?」

 母さんはさっきの勢いはどこにいったのか優しく恐る恐る私に尋ねた。

「母さんこそ、今さら私のこと気にして。私のこと視界にすら入ってなかったのに。なんで? ご近所さんに言われたから? 周りを気にしてるのは母さんの方じゃない?」

 私は俯きながら、母さんに言い返した。

 母さんは苦笑いを浮かべて、舌打ちをした。

「なにも言い返せないってことは本心だよね。私、言えなかったけど…私だって、取りたい。難しいから。今、少しずつ変わろうとしているから待っててくれないかな」

 私はそう言いながら、マスクを少し口元まで下げた。

「詩」

 母さんは私を呼んでから、兄さんを見た。

 兄さんは頷き、そっかと目を細めて返事をした。

 私は目に涙を浮かべながら、二人に言い捨てて、外へ出た。

 外は雨が激しく大荒れだった。

 それでも私は家から離れたくて、傘を差さずに走り出した。

「はあはあ……はぁ」