木漏れ日の中の光

 私は眉をしかめて、俯いた。

 また顔を上げて、私は母さんに言い放とうとした。

 それと同時に、兄さんが母さんに言い放った。

「母さん! 詩はマスクをしなくちゃいけないからしてるんだよ。母さんのエゴで詩を縛り付けないで!」

「お兄ちゃんが口出ししないで!」

 母さんは兄さんの腕を振り払って、言い返す。

 それに動じず、兄さんは母さんの腕を強く掴んだ。

「……兄さん?」

 私は目を見開き、口を手で覆った。

「母さん! 詩が見えないの? コロナ以降、マスクを外せないのは人の目が怖い。だから、マスクをしているのは知ってるだろう。母さんだって、分かってるよね?」

 兄さんは声に力を込めて、母さんに伝えた。

「……分かってるわよ。すぐにマスクを外せないのは。でもね、人の目をずっと気にしていて、これからどうやって生きていくの? 社会は甘くないのよ。詩だって分かってるわよね」

 腕を組んで、母さんは目の前にいる私に問いかける。

「……分かってる、分かってるよ!」

 私は身体全体で返事をした。

 その行動に母さんは驚いていた。

 兄さんは目を見張り、私の言動を注視していた。