木漏れ日の中の光

「興味ないわけないだろ! 本当は俺だって詩ときちんと話したかった。この病気になっても、母さんにはまだ俺ができるって期待されてるし。期待通りにしなくちゃいけないと思ってた。でも、違う。詩は詩なりに悩んでるって知ってた。だけど、俺はなにもできなかった。ただ、見ているだけだった。病気が治ったらって思ったけど……それじゃ、遅いよな。思ったら、すぐ行動すればよかった。詩が倒れる前に気づいてやれたのにって」

 悔しそうに唇を噛みしめて、私の手を握った。

「なんで……」

 私は優しい言葉をかける兄さんに目を丸くした。

 こんな、優しい兄さんだったのか。

 昔の兄さんはもっと真面目で笑顔や涙なんて見せる人じゃなかった。

 本当は根から優しい。

 ぶきっらぼうで冷めてるかと思いきや、欲しいものを何も言わずにくれたり、誕生日の時はラインでおめでとうとメッセージをくれた。

 冷たいように見えて、本当は家族想いの人だった。

「俺はもっと言葉を尽くすべきだった。詩、ゴメン」

 兄さんは姿勢を正して、平謝りした。

「な、なんで謝るの? 本当はいつだって、兄さんは優しかった。私はその優しさをないことにしてたから」