ガサッとなにかの物音がして、目が覚めた。
上半身を起こすと、いつもの自分の部屋だ。
なんの変哲もない部屋は見慣れているはずなのに、明らかに昨日とは違う。
翔月に私が抱えていたものすべてを話したからだろう。
やけに心は軽くて、身体は重い。
起き上がろうとするも、すぐ倒れこんでしまう。
自分の頬に手を当てると、すごく熱かった。
「これはヤバいな」
私はなんとかベッドから起き上がり、ドアノブを手にした。
階段の手すりにしがみつきながら、リビングへと向かった。
リビングには、兄一人だけだった。
兄さんはソファーに寝そべっていた。
私に気づいていないのか、兄さんは目を瞑っていた。
起こさないようにそっと忍び足でキッチンへと足を運ぶ。
自分のコップを取り出して、ウォーターサーバーの水をくむ。
頭がクラクラして、手が滑った。
「あっ……」
ガチャン
「あ……落としちゃった」
ため息を吐いて、また立ち上がろうとした。すると、また頭がクラクラし始めた。
「……俺がやるから」
倒れそうになった私を兄さんが支えてくれた。



