木漏れ日の中の光

 私たちはただ歩いた。

 歩けるところまで、歩いた。

 目的地なんてない。

 それでも、私たちは何も言わずに歩いた。

 ただ、傍にいるだけでよかった。

 私は自分自身の基準が分からない。

 だけど、自分自身の基準に誰かを入れてもいいのかもしれない。

 信じられない、怖い。

 そんな思いは完全には消えない。

 ジャケットのポケットに突っ込んでいたマスクは外せない。

 それでも、歩いていくしかない。

 私も……翔月も……

「ねぇねぇ」

「うん?」

「お好み焼きでも食べる?」

「いいね! あ、お金ある?」

 翔月はスマホ画面を開き、クレジットカードのアプリを開く。

 私もスマホを開き、残高確認する。

「あ、ある。三千円。翔月は?」

 私は残高を言うと、翔月は唖然とした。

「私もだ。まぁ、大丈夫だよ。多分」

 翔月は苦笑いをして、私の肩に手を回した。

「本当かな? まぁ、行こう」

 私も翔月の肩を掴んで、二人で歩いた。

 苦しくて、泣きそうなことも仲間がいれば、笑えている。

 マスクを取って、本来の姿で。

 まだ取るには時間がかかりそう。

 翔月と一緒なら、少し希望が見えてきた。