木漏れ日の中の光

 私はほうじ茶のペットボトルを開けて、ごくりと喉を鳴らすほど渇いていたので、一気に飲み干した。

 同じく翔月も息をするのを忘れて、飲んでいた。

 二人の間には、沈黙と生ぬるい風が吹いている。

 耳の奥から風の音が聴こえてくる。

 風の匂いとともに、この時間はなんか居心地がいい。

 私は目を瞑り、ベンチの背もたれに寄りかかった。

 すると、翔月は声を出した。

「詩さ、話してもいいんだよ」

「え?」

 私は翔月に顔を向けて、返事をした。

「なにかあるんでしょ」

 翔月は私がなにかを話していないことに気づいていた。

 でも、聞いても答えないと思っていたのだろう。

 店で私が呆然としているのを見て、ほっておけなくなったから聞いてきたんだ。

 そうだよね、翔月には話さないとね。

 もう、話していいよね。

 私はペットボトルを両手で握りしめて、下に俯いた。

 もう、いいよね。

 私は自分の手から翔月に視線をうつした。

「翔月ね……」

 私の家族について上手く伝えられたかは自信がないけど、翔月はただ私を抱きしめた。

「そっか……」

 翔月はただ返事をするだけで、何も言わなかった。