木漏れ日の中の光

 翔月は覆っていた手をよけて立ち止まったまま、私の方を向いて尋ねた。

「嫌なことはしない。違うことしよう」

 私は振り返って、翔月に笑顔で言う。

 翔月はゆっくりと私に駆け寄り、私の腕を組んだ。

「そうだね」

 翔月はにこやかに微笑んで、私たちは前に進んだ。

「なんもないね」

 私はぽつりと呟いた。

「だね。あそこに公園あるから。そこのベンチで買ったもの食べよう」

 私たちの前には、小さな公園が広がっていた。

 特に滑り台など、遊ぶものは公園になかった。

 どの公園でも小さな滑り台や鉄棒はあるのに、この公園にはひとつもない。

 あるのは、ベンチひとつくらいだった。

 私たちはそこに座った。

 自分の膝に小さな袋を置いて、ゴソゴソと買ったものを取り出した。

「これ」 

 翔月は私が買ったものを目にして、指をさした。

「ガム。歩きながら食べたからもうないけど」

「ああ」

 翔月は返事をした。

 袋からチョコを取り出したが、もうチョコは溶け切っていた。

 この暑さだし、それは溶けるよね。

 翔月は袋の中を見て、すぐ袋を丸めた。

 まぁ、それでも食べたかったのかな。

「うん」