木漏れ日の中の光

 翔月は持っていたチョコが溶け始めたので、すぐ袋を開けて、二つ同時に口に入れた。

「うん、美味しい」

 冷たい紅茶の蓋を開けて、喉に潤いを与えた。

 翔月が食べていたので、私もガムを袋から取り出して食べ始めた。

 それから翔月も私も、なにも声を発さなかった。

 歩いていると、世にも奇妙なものと書かれている看板があった。

 思わず、立ち止まった。

「なにこれ」

 声を出したのは、翔月だった。

 私も同じことを思ったので、隣にいる翔月に顔をうつした。

「ねぇ、なんだろう。気になる。入ってみる?」

 翔月に私は提案する。

「……いや、いいや」

 翔月はすぐ否定した。

「なんで?」

 私は思わず、首をひねる。

 顔を横に背けて、翔月は小さい声でなにかを呟いた。

「……え? なに」

「だから、怖いの!」

 翔月は力強く声を吐き出した。

「え? 怖いの?」

 私は翔月に聞き返す。

「……っ怖いの」

 翔月は顔を両手で覆い、手の隙間から私を見ていた。

「じゃあ、やめようか」

 私は世にも奇妙な看板を通り過ぎて、翔月に言う。

「え? いいの?」