木漏れ日の中の光

 持っていたほうじ茶のペットボトルが床に落ちた。
 
 商品に傷をつけてしまう。

 そんな心配よりも、翔月の元へ駆け寄った。

「え? なに」

 私がいきなり抱きついたので、翔月は目を丸くした。

 手にしていた商品を両手で持ったまま、翔月はどうしたらいいのか迷っただろう。

 それでも、言葉を尽くしてくれた。

「詩? ここさ、店だから買うもの買ったら、別のところへ行こうか。行けそう?」

 少し私の顔を見て、翔月は私が離れるのを待った。

 数分経ち、私は翔月から離れた。

「うん」

 私は泣きそうな目を手で擦り、落ちたペットボトルをまた手にした。

 適当にガム一個取って、私たちは会計を済ませた。

 先ほどまで見ていた店員は目だけで私たちのことを追っていた。

 さっきまで冷蔵庫の冷風で暑さをしのいでいたのに、今は泣きそうな目をしている。

 よほど、変な人だと思われたかもしれない。

 それでも、私はこうしたかった。

 どうしても、今。

 自動ドアが開いて、私たちは二人でトコトコと特に目的もなく、ただ無言で歩いた。

 日差しが強く、帽子も日傘も使っていないので、暑さが直でささる。

「あ、溶ける」