木漏れ日の中の光

 暑さが収まってきて、頭が冴えわたってきた。

 今、私……誰も信じられないんだ。

 人には優しく、傷付けない。

 言葉や態度で他人を思いやる。

 人と関わることに厳しさや身勝手なことはダメだ。

 とにかく優しく、誰かを包み込むような雰囲気を持っていないといけない。

 翔月といるのに、私の頭の中ではほかの世界へと導かれるように暗闇にただ一人取り残されていた。

 ただ一人、光のない。

 裸足で鎖をかけられて、身動きができない。

 暗く、もがいても光のないこの場所は私の住処なのだろうか。

 とにかく、私を取り込むすべてがこの世とは思えなかった。

 私は無言で立ちつくした。

 言葉のない、私しか入り込めないところで。

 それでも、私の言葉を遮るように声が響いた。

「詩!」

 私は呼ばれて振り向くと、翔月が眉をひそめていた。

「……な、に?」

 どう言葉に出せばいいか分からなく、ただ目を泳がせた。

 私は困ってるんじゃない。

 私だけしか入れないところに普通に入ってくるからだ。

 いや――私の存在意義があると証明してくれる人がいるからだ。

「翔月?」