木漏れ日の中の光

 何の感情もなく、ただ報告をしているだけ。

 同じ女性でも、社会人になったらここまで感情を出せなくなるのかと想像すると大人になるって嫌だと感じる。

「えーー! やりたくない―!」

 クラスメイトが椅子の背もたれによりかかりながら、天井を見上げて大きい声を出していた。

「やりたくなくても、やるんです。やることで、ちょっとの未来が変わるんです」

「ちょっとって、先生。未来でも見えるんですか? あ、見えるんだったら、私に新しい恋人、できてますか?」

 冗談をかましながら、高笑いをして黒望先生に尋ねた。

 少し間を置いて、黒望先生はゆっくり言葉にした。

「…それは分からない。でも、ちょっとの未来は変えられる。今やることが意味なくても、学ぶことで今後の将来には役に立つから」

 黒望先生は少し微笑んでから、なにかを思い出すかのようにゆったりとした声で話した。

「…ふーん」

 クラスメイトは意味を理解したのか分からないが、頷いて黙りこんだ。

 ちょっとの未来か……

 そう言えるのは、経験してきたことだから言えることだ。

 大人になると、経験値が増えて、奥深い言葉が出てくるのか。