私の中のワタシが何かを拒絶している。
まるで心が跳ね返すように、咳が出た。
「ゴホゴホホ……ゴホホ」
今日は休みなので、家でくつろいでいた。
洗面所に向かうため、咳をしながら、亀のようにのそのそと廊下を歩いていた。
「……どうしたの? 詩(うた)」
「……なんか…喉の調子が悪くて…」
私はゴホゴホと咳をしながら、いつもより低い声で母さんに答える。
「大丈夫?」
「…たぶん。か…ふんがひどく…て」
調子が悪いので、頭がうまく回らず、ひとつの単語を言うので精一杯だった。
喉がイガイガする。
早く、喉を潤したい。
「ああ、いつものね」
母さんは呆れたように返事をして、リビングへ戻っていた。
娘がこんな状態なのに心配しないのか。
まぁ、そっか、私はもう相手にされないか。
洗面所に行き、コップを手に取り、うがいをする。
自分の顔を鏡で見る。
毎日、自分の顔を見てはいるが、花粉の時期になると肌が荒れて、乾燥が激しくなる。
「はぁくしょん…はぁ」
今年はいつもより早く、花粉がひどい。
緑の木々が生い茂るようになってきた。
もうそろそろ卒業式が始まる。



