キミの1番にはなれないと思ってたけど、



自覚してから2日。

自分の気持ちに名前をつけてしまうと、今までと同じようにはいかなかった。

深町が教室に入ってくるだけで、なんとなく目がいく。

話しかけられたなら、嬉しい。

近くにいると、変に意識する。

かといって、周りにはバレないように、

できるだけ普通にしているつもりだった。

……つもりだった、のに。


「…なぁ、瀬良」

『ん?』

「今日、挙動不審じゃね?」

『えっ』

昼休み。

購買に買いに行ってるやつらを待っている間に、

弁当を持ってきていた佐藤と2人きりで待っていると、痛いところを突かれた。

『そ、そう?』

「なんか…ずっと上の空だから」

『いやっ…あ、ね、寝不足なだけ』

「ふーん」

佐藤はそれ以上聞かなかった。

いつものように軽く笑って、別の話を始める。

そのことに少しだけほっとする。



ーー授業中ーー

先生に当てられた後ろの席に座っているクラスメイトが問題に答えていた。

自分が考えた答えと合っているか確認していると、何故か視線を感じた。

前を見ると、その答えている姿を見ようとしたのか、深町が後ろを少し振り返っていた。


目が合う。

深町が小さく笑った。

反射的に、俺も笑う。

その直後。

横から視線を感じた。

田中さんがこっちを見ていた。


『……どうしたの?』

と右側に少し体を傾けて小声で聞くと、

「んーん」

田中さんは笑って首を振った。

田中(タナカ) 澪菜(ミオナ)さんは、深町の後ろの席で、俺の右隣の席に座っている。

普段から明るくて、誰とでもよく話す子だ。

休み時間には友達と恋バナしているところをよく見たり、

毎日髪型アレンジ(…って言うんだっけ?)

していたりと、

年相応のイマドキ女子というイメージだ。

席が近くなったこともあって、最近はよく話す機会はある。

でも、そんなに仲がいいってわけでもなく、ただ席が近いクラスメイト。


だから、その視線に気づいたのは、たまたまだった。

でも。

それから何度か同じことがあった。


その瞬間はだいたい、深町と話している時。

あとは、俺が深町を目で追っていると、なんとなく視線を感じる。

気のせいだと思っていた。

いや

思いたかった。