「へー、そんなことがあったんだ」
「僕も驚いたよ。急に皆の目の色が変わるんだもん。昨日一緒に考えた甲斐があったよ」
温かい紅茶を飲みながら今日の出来事を白いネコに話した。
「よかった。今回は強みを皆に見てもらうことで解決したんだね。未雲ちゃんの場合は勉強を。たしかに、その人を知るきっかけになった結果、距離が縮まるからね」
「そうだよね。その人を知ることは大切なこと」
「そういえば、キャットフードありがとう。すごくおいしかったよ。これ、もうどこにも売ってないからさ」
昨日のお礼にと白いネコのためにペットショップで少し高めのキャットフードを買ってきたら白いネコは飛び跳ねた後に、喜んで食べてくれた。とはいえ、僕がここ数日間エサをあげたことはなかったので、特殊なネコということもあり自分でエサを確保しているのだろう。でも、今白いネコが言ったことに少しだけ疑問を覚えた。でも、僕が考えるようなことではないはず。
「ねえ、あくまで聞くだけなんだけど、僕の彼女じゃないとわかっているけど、その世界で生きていきたいという世界を選んだらどうなるの?」
僕は一つだけ気になっていたことがあった。本当の彼女がわかったら僕は一直線にそこに進むものだと思っていた。でも、必ずしもそれは正解ではないのかもしれないと思ってしまったのだ。
「その世界で生きることになるね。あまりオススメはしないけど、人の人生に口出しはできないから、その判断は君だよ。でも、今の彼女を見捨ててでもその世界で生きる理由があるのかはしっかり考えてね」
「わかった。ありがとう」
スマホを確認すると、未雲から写真付きでメッセージが来ていた。クラスメートとカラオケを楽しんでいる姿だ。まだどこか作り笑顔のような部分はあるけれど、きっとそれが本物の笑顔になる日もそう遠くはないのだろう。僕も昨日のように玄関に出て、隙間から出る月の写真を撮って未雲に送信した。すぐに既読がついて返信が来た。
そして寝る前に僕は天気を確認した。
明日、金曜日の天気は雨。
曇りの世界、おやすみなさい。
雨の世界の彼女は一体どんな彼女なのだろう。
未雲、バイバイ。もしくは、今後もよろしくね。



