ふと、目が覚めた。
意識が浮上すると同時に、真っ先にスマホの画面を点けて日付を確認する。表示されている数字は、やはりと言うべきか『22日』だった。
見慣れてしまった郁真の部屋の天井。
薄暗い部屋の中に漂う独特の静けさ。
何も変わらないはずなのに、俺の心は初めての動揺の仕方をしていた。
(昨日の夜のあれは、一体何だったんだよ……!)
頭まで布団をすっぽりと被り、思い出すだけで爆発しそうなほどの恥ずかしさに猛烈に身悶える。
どれだけ現実逃避したって、ふとした瞬間に鮮明に脳内を支配してくるのは勿論昨日のこと。
直前まで息が触れるほど顔を近づけてきて、あそこまでの甘くて危険な雰囲気を出した郁真。いつもとは違い、どこか大人びた表情をしていた郁真は、声も姿も彼そのものなのにどこか別人に見えて仕方なかった。
しかし、結局それ以上は何もせず「嬉しかった」なんて悪戯っぽく笑って去っていくなんて、生殺しにもほどがある。
コイツは一体、俺の反応をどこまで楽しめば気が済むんだ。
変に期待させられた分、胸の奥が甘く痛んで頭がおかしくなりそうだった。
結局、昨夜はあのあとロクに眠れないまま朝を迎えてしまった。
「んんー…」
隣から練奥特有の花にかかった声が聞こえる。そちらを見ると、伸びをする郁真がうっすらと目を開けた。
「おはよ、唯斗」
「……おはよう」
「あれ、なんか寝不足みたいな顔してるけど大丈夫?」
(誰のせいだと思ってんだよ…)
心の中の恨み節は、音になることもなかった。ただ、いつもと変わらない郁真は目をこすりながらベッドを降りた。
「今日の朝ごはん、何がいい?」
「作ってくれるのか?」
「うん、気分いいから」
鼻歌交じりに振り返った郁真に「じゃあパン」と返せば、嬉しそうな笑い声が返って来た。
そのまま階段を降りて行った郁真を見送り、俺は深々とため息を吐いたのだった。
意識が浮上すると同時に、真っ先にスマホの画面を点けて日付を確認する。表示されている数字は、やはりと言うべきか『22日』だった。
見慣れてしまった郁真の部屋の天井。
薄暗い部屋の中に漂う独特の静けさ。
何も変わらないはずなのに、俺の心は初めての動揺の仕方をしていた。
(昨日の夜のあれは、一体何だったんだよ……!)
頭まで布団をすっぽりと被り、思い出すだけで爆発しそうなほどの恥ずかしさに猛烈に身悶える。
どれだけ現実逃避したって、ふとした瞬間に鮮明に脳内を支配してくるのは勿論昨日のこと。
直前まで息が触れるほど顔を近づけてきて、あそこまでの甘くて危険な雰囲気を出した郁真。いつもとは違い、どこか大人びた表情をしていた郁真は、声も姿も彼そのものなのにどこか別人に見えて仕方なかった。
しかし、結局それ以上は何もせず「嬉しかった」なんて悪戯っぽく笑って去っていくなんて、生殺しにもほどがある。
コイツは一体、俺の反応をどこまで楽しめば気が済むんだ。
変に期待させられた分、胸の奥が甘く痛んで頭がおかしくなりそうだった。
結局、昨夜はあのあとロクに眠れないまま朝を迎えてしまった。
「んんー…」
隣から練奥特有の花にかかった声が聞こえる。そちらを見ると、伸びをする郁真がうっすらと目を開けた。
「おはよ、唯斗」
「……おはよう」
「あれ、なんか寝不足みたいな顔してるけど大丈夫?」
(誰のせいだと思ってんだよ…)
心の中の恨み節は、音になることもなかった。ただ、いつもと変わらない郁真は目をこすりながらベッドを降りた。
「今日の朝ごはん、何がいい?」
「作ってくれるのか?」
「うん、気分いいから」
鼻歌交じりに振り返った郁真に「じゃあパン」と返せば、嬉しそうな笑い声が返って来た。
そのまま階段を降りて行った郁真を見送り、俺は深々とため息を吐いたのだった。



