しばらくして、緊張に耐えきれず恐る恐る目を開ける。そこには、相変わらず俺を押し倒す体勢のまま、どこか満足そうに笑っている郁真がいた。
「……びっくりした?」
「……っ」
「顔真っ赤」
「お前…っ!」
あまりの恥ずかしさに、赤くなった顔を誤魔化すように睨みつける。けれど郁真は、そんな俺の反応すら楽しそうに笑うだけだった。
「ごめんごめん」
「絶対思ってないだろ」
「思ってるって」
そう言って、郁真は力強く絡めていた指をゆっくりと解いていった。
けれど、完全に離れてしまう直前。名残惜しそうに、あいつの温かい指先だけが、俺の手の甲をなぞるようにそっと優しく撫でた。
「…でも」
「ん?」
「さっきの『好き』は、めちゃくちゃ嬉しかった。ありがと」
その言葉だけを部屋に残して、郁真はソファーからすっと立ち上がった。
俺は何も言えなかった。
ただ立ち去る背中を見送り、郁真の熱が残る自分の右手を見つめる。指先から伝わってきた熱が、いつまでも皮膚の奥で痺れるようにくすぶっていた。
「……びっくりした?」
「……っ」
「顔真っ赤」
「お前…っ!」
あまりの恥ずかしさに、赤くなった顔を誤魔化すように睨みつける。けれど郁真は、そんな俺の反応すら楽しそうに笑うだけだった。
「ごめんごめん」
「絶対思ってないだろ」
「思ってるって」
そう言って、郁真は力強く絡めていた指をゆっくりと解いていった。
けれど、完全に離れてしまう直前。名残惜しそうに、あいつの温かい指先だけが、俺の手の甲をなぞるようにそっと優しく撫でた。
「…でも」
「ん?」
「さっきの『好き』は、めちゃくちゃ嬉しかった。ありがと」
その言葉だけを部屋に残して、郁真はソファーからすっと立ち上がった。
俺は何も言えなかった。
ただ立ち去る背中を見送り、郁真の熱が残る自分の右手を見つめる。指先から伝わってきた熱が、いつまでも皮膚の奥で痺れるようにくすぶっていた。



