ひまわりと君がいた夏

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行合いの空が夕焼けに染まり始める頃ーー

道端に花が咲いていた

これまでに何度も通った道なのに、そこに花が咲いていたことには気が付かなかった

彼女はふと足を止め、少し膨らんだお腹に手を添えた
「大丈夫?」
隣を歩いていた夫が、心配そうに顔を覗き込んでいる
「うん、大丈夫」
彼女はそう言って微笑み、また歩き出した

「…ねぇ、名前なんだけどさ」
「ん?」
「私が決めてもいい?」
「えー、二人とも?」
「だって、女の子なら私が決めるって言ったやろ」
「言ったけどさ…」

夫は少し不満そうな顔をして、それから笑った

「まぁ、俺より香織ちゃんの方がましかな」
「なにそれ」

涼風が吹きぬけた
振り返ると、夏の終わりの夕日に照らされながら、ゆっくりと花が揺れた

彼女はもう一度、お腹に手を添えた

「…陽ちゃん、葵ちゃん」

「え、なに?」

彼女は前を向いて、ふふ、と笑った
「なんでもない」
「いや、絶対なんか言ったでしょ」
「教えない」

二人の影が、ゆっくりと歩道に伸びていった

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