ここは沼星文化大学。
芸術学部文芸学科一年の竹下湊人は、同じサークルの先輩である、三年の芦澤漣の様子が、最近少しおかしいことに気づいていた。
この男、甘いものが苦手なくせに、昼食のデザートに、毎回同じ甘ったるいプリンを欠かさず食べている。二週間は続いているだろう。
竹下が何より気になっているのは、自分と、その相棒である男、総合造形学科一年の桜井伊吹を、まるでストーカーのように追ってくるからだ。
――いつもこの大教室の授業の時、一番後ろの高い場所で、俺と桜井を見ている。いや――
竹下は、ため息を吐く。
――たぶん、俺じゃない。桜井を見ている。
そう確信していた。桜井は純朴天然男のくせに、やたら見た目がいい。
守らなくては――と思っていた。同じ夢を志す相棒に、何かあったら困るからだ。
竹下は今日、授業を休むと桜井に伝えた。
芦澤と腹を割って話すためだ。
廊下の隅で、竹下は芦澤を待ち伏せた。
「いた……」
竹下は、そっと芦澤に近づく。その時――
――ピリリリリリ……。
芦澤のスマホが鳴った。
芸術学部文芸学科一年の竹下湊人は、同じサークルの先輩である、三年の芦澤漣の様子が、最近少しおかしいことに気づいていた。
この男、甘いものが苦手なくせに、昼食のデザートに、毎回同じ甘ったるいプリンを欠かさず食べている。二週間は続いているだろう。
竹下が何より気になっているのは、自分と、その相棒である男、総合造形学科一年の桜井伊吹を、まるでストーカーのように追ってくるからだ。
――いつもこの大教室の授業の時、一番後ろの高い場所で、俺と桜井を見ている。いや――
竹下は、ため息を吐く。
――たぶん、俺じゃない。桜井を見ている。
そう確信していた。桜井は純朴天然男のくせに、やたら見た目がいい。
守らなくては――と思っていた。同じ夢を志す相棒に、何かあったら困るからだ。
竹下は今日、授業を休むと桜井に伝えた。
芦澤と腹を割って話すためだ。
廊下の隅で、竹下は芦澤を待ち伏せた。
「いた……」
竹下は、そっと芦澤に近づく。その時――
――ピリリリリリ……。
芦澤のスマホが鳴った。
