結局途中から聞いたことも見たこともないラジオ体操を、みんなで鑑賞するという時間を挟みながら、無事にラジオ体操を終えた湊たち。ここで解散かと思ったら、そうは問屋が卸さなかった。
「じゃあ、次に行こう!」
「……次って、今度は何するんだよ。ていうか、いい加減僕を家に帰してくれ」
そろそろ燦々と降り注ぐ太陽によってライフがゼロになるどころか、溶けて形を保てなくなりそうだった。しかし、そう考えているのはどうやら湊だけのようで、涼太も杏子も汗一つかかず、しれっとした顔で陽菜の言葉を待っていた。なんだか、おかしいのは湊だけのような感じがして、湊は思わず首を傾ける。
「次はね、このまま川に行くよ!」
「はぁ? やだよ、なんでそんなところに」
「もう、湊は文句ばっかりだなぁ! ほら、これを見て」
そう言って陽菜が差し出したのは例のやりたいことリストが書かれたノートだ。ノートの二ページ目、そこにはデカデカと「川でみんなと一緒に遊ぶ!」と書かれていた。書いてあるからなんだ。別に付き合ってやる義理はこっちにはないんだぞ。そんな気持ちで陽菜を睨みつけた時、杏子が「うーん」と難色を示す。
「陽菜ちゃんのやりたいこと、私もやってあげたいけど、子供だけで川遊びはちょっと危険じゃない?」
「え? そうかな?」
至極真っ当な指摘がまさか杏子から聞けるとは思っていなくて、湊は開いた口が塞がらない気持ちだった。
「まぁ、安全かと聞かれたらそうじゃないのは確かだね。他に今日できそうなことはないの?」
涼太が援護射撃を送れば、陽菜は口を尖らせて「むー」と唸る。どれだけ勢いとやる気があっても、できないことはできないとわかってもらうしかない。
「……はぁ。なら、順番変えれば」
しかし、絶対に譲りたくないという顔をしている幼馴染をそのままにすることはできず、湊はつい口を挟んだ。
「別に夏休みは始まったばかりなんだし、そのなんとかリストも一番から埋めていく必要はないだろ」
どうせ思いついたものを思いついた時に書いているだろうから。そう考えて提案すれば、陽菜はなぜか顔を輝かせて何度も首を縦に振った。
「じゃ、じゃあ! 次のページ! みんなでお菓子パーティをする、はどう?」
ノートのページをめくって次のやりたいことをみんなに見せる。その内容に涼太と杏子もこれなら、と顔を見合わせた。
「どう? 湊」
わずかに首を横に倒しながら、陽菜は湊のことを見上げる。その瞳が期待に満ちていたからか、湊は「まぁ、それならいいんじゃね」と答えた。そっけない言い方だったのにも関わらず、陽菜は嬉しそうに口元を綻ばせる。
「よーし! じゃあ、みんなでスーパー行こう! あ、コンビニの方がいい?」
「二手に分かれればいいんじゃない? じゃんけんで負けた方がスーパーのお菓子、勝った方がコンビニ限定のお菓子、とかどうかな?」
杏子が名案を思いついたように手を叩く。
「うん、それいいね! さすが杏子だね!」
グッと陽菜が親指を立てれば、杏子は照れたように頬をかいて「それほどでもぉ」と笑った。
「じゃあ、湊と俺、楓原と小鳥遊のペアでいい?」
涼太がパッと組み合わせを決める。誰も異論はなかったため、そのままじゃんけんへと移行する。じゃんけんをするのは湊と陽菜だった。
せーの、と掛け声を合わせて湊がチョキを繰り出せば、陽菜はグーを出した。
負けても罰ゲームがあるわけじゃなくて、ただの買い物先を決めるためだけのじゃんけんだったが、それでも陽菜に負けたということがなんとなく許せなかった。
「負けてんじゃん、湊ってば弱すぎ」
「うるせぇー。なら次は涼太がじゃんけんしろよな」
案の定、涼太に揶揄われたから湊は脇を小突いて応戦する。涼太からは「俺、負けず嫌いだから絶対にやらない」と拒否された。じゃんけんごときで大袈裟なやつめ、と陽菜に負けた悔しさを棚に上げて湊は思った。
「じゃあ、次に行こう!」
「……次って、今度は何するんだよ。ていうか、いい加減僕を家に帰してくれ」
そろそろ燦々と降り注ぐ太陽によってライフがゼロになるどころか、溶けて形を保てなくなりそうだった。しかし、そう考えているのはどうやら湊だけのようで、涼太も杏子も汗一つかかず、しれっとした顔で陽菜の言葉を待っていた。なんだか、おかしいのは湊だけのような感じがして、湊は思わず首を傾ける。
「次はね、このまま川に行くよ!」
「はぁ? やだよ、なんでそんなところに」
「もう、湊は文句ばっかりだなぁ! ほら、これを見て」
そう言って陽菜が差し出したのは例のやりたいことリストが書かれたノートだ。ノートの二ページ目、そこにはデカデカと「川でみんなと一緒に遊ぶ!」と書かれていた。書いてあるからなんだ。別に付き合ってやる義理はこっちにはないんだぞ。そんな気持ちで陽菜を睨みつけた時、杏子が「うーん」と難色を示す。
「陽菜ちゃんのやりたいこと、私もやってあげたいけど、子供だけで川遊びはちょっと危険じゃない?」
「え? そうかな?」
至極真っ当な指摘がまさか杏子から聞けるとは思っていなくて、湊は開いた口が塞がらない気持ちだった。
「まぁ、安全かと聞かれたらそうじゃないのは確かだね。他に今日できそうなことはないの?」
涼太が援護射撃を送れば、陽菜は口を尖らせて「むー」と唸る。どれだけ勢いとやる気があっても、できないことはできないとわかってもらうしかない。
「……はぁ。なら、順番変えれば」
しかし、絶対に譲りたくないという顔をしている幼馴染をそのままにすることはできず、湊はつい口を挟んだ。
「別に夏休みは始まったばかりなんだし、そのなんとかリストも一番から埋めていく必要はないだろ」
どうせ思いついたものを思いついた時に書いているだろうから。そう考えて提案すれば、陽菜はなぜか顔を輝かせて何度も首を縦に振った。
「じゃ、じゃあ! 次のページ! みんなでお菓子パーティをする、はどう?」
ノートのページをめくって次のやりたいことをみんなに見せる。その内容に涼太と杏子もこれなら、と顔を見合わせた。
「どう? 湊」
わずかに首を横に倒しながら、陽菜は湊のことを見上げる。その瞳が期待に満ちていたからか、湊は「まぁ、それならいいんじゃね」と答えた。そっけない言い方だったのにも関わらず、陽菜は嬉しそうに口元を綻ばせる。
「よーし! じゃあ、みんなでスーパー行こう! あ、コンビニの方がいい?」
「二手に分かれればいいんじゃない? じゃんけんで負けた方がスーパーのお菓子、勝った方がコンビニ限定のお菓子、とかどうかな?」
杏子が名案を思いついたように手を叩く。
「うん、それいいね! さすが杏子だね!」
グッと陽菜が親指を立てれば、杏子は照れたように頬をかいて「それほどでもぉ」と笑った。
「じゃあ、湊と俺、楓原と小鳥遊のペアでいい?」
涼太がパッと組み合わせを決める。誰も異論はなかったため、そのままじゃんけんへと移行する。じゃんけんをするのは湊と陽菜だった。
せーの、と掛け声を合わせて湊がチョキを繰り出せば、陽菜はグーを出した。
負けても罰ゲームがあるわけじゃなくて、ただの買い物先を決めるためだけのじゃんけんだったが、それでも陽菜に負けたということがなんとなく許せなかった。
「負けてんじゃん、湊ってば弱すぎ」
「うるせぇー。なら次は涼太がじゃんけんしろよな」
案の定、涼太に揶揄われたから湊は脇を小突いて応戦する。涼太からは「俺、負けず嫌いだから絶対にやらない」と拒否された。じゃんけんごときで大袈裟なやつめ、と陽菜に負けた悔しさを棚に上げて湊は思った。



