先生、あのね。

その後。

中学生になった私たち。

私は相も変わらずアイドルオタクだったけれど、みんなを取り巻く環境は少しずつ変わっていった。

向井くんと奏美ちゃんは、付き合い始めた。

良美ちゃんは、相変わらず浩斗くんが好きだった。

しかし、浩斗くんは別の小学校から来た女の子と付き合い始めた。

それに嫉妬した良美ちゃんは、浩斗くんの彼女に喧嘩を売った。

喧嘩と言っても、女子同士の口喧嘩だ。

そして、良美ちゃんはいじめの対象になった。

小学校では誰かをいじめる側だった良美ちゃんも、中学校では立場が変わった。

喧嘩を売る相手が悪かった。

浩斗くんの彼女は、とにかく気が強くて、口も悪かった。


なっちんと優紀ちゃんとはクラスがバラバラになり、特に関わることもなくなった。

廊下で会えば少し話す。

教科書を忘れたときには貸し借りをする。

そのくらい。

別の中学校へ進学した子たちとは、まったく会わなくなった。

あれだけ毎日のように一緒にいたのに、学校が変わるだけで、こんなにも会わなくなるものなのだ。


みんな少しずつ変わっていった。

ただし、向井くんだけは一つ変わらなかった。

身長だ。

西城先生は、

「中学生になったら、向井くんも鮎海ちゃんより大きくなるわよ」

と言っていた。

ならなかった。

中学校を卒業するまで、私の方が大きかった。


高校生になると、小学校の同級生とは誰一人会わなくなった。

唯一、思わぬところで再会したのは、浩斗くんの彼女――ではなく、そのお母さんだった。

その頃には、浩斗くんとはもう別れていたけれど。

私がアルバイトを始めたスーパーで、パートとして働いていたのだ。

浩斗くんの元カノのお母さんもなかなか気の強い人だった。

ほかのパートさんをいじめ、次々と人が辞めていくのを見た。

やがて、私もその対象になった。

私はそのスーパーを辞めて、別のアルバイトを始めた。

小学生の頃は、嫌な人が同じクラスにいたら、毎日その教室へ行くしかなかった。

でも、少し成長して、私は変わった。

嫌なら、離れることができる。

関わらないという選択もできる。

あの頃の私には知らなかった選択肢を、成長した私は持っていた。