ある配信者の半生 ー学歴至上主義の両親に捨てられた僕の物語ー

 殴られた。

 理解するのに時間が要った。

 目の前がグワングワンと揺れている。

 殴られた頬よりも、胸が痛い。

 息を吐くのすらも苦しい。

「僕は……僕なりにがんばったよ」

「言い訳するな! これまでお前にどれだけ金をかけたと思ってるんだ!」

 父さんがバン、と机を叩く。
 ペン立てがガタンと倒れて転がって、床に落ちた。

 母さんはゴキブリを見るような目で僕を見おろす。

「はぁー。最初からユウトに国立大なんて無理だったのね。浪人しても来年受かるか怪しいわ」

「何が足りなかったんだと思う? 言ってみろユウト。何故落ちたと思う?」

 父さんはいつも、こうやって理由を突き詰めさせて失敗を責める。

 普段の定期テストも、百点取れなければ一時間詰ってきた。

 わからない。わからないよ。

 なんでこんなにも責められなきゃならないのか、わからない。

 それでも理由を考えて、声を絞り出した。

「……点が、他の子より足りなかった?」

「違う! お前の努力不足だ!」

 父さんがまた机を叩いた。

「スマホも禁止よ。今すぐ解約するから! カラオケなんかに誘ってくる馬鹿な子と関わるから頭が悪くなるのよ!」

 母さんは僕の手からスマホを奪い取って、壁に投げつけた。

 画面が粉々に砕けた。