ある配信者の半生 ー学歴至上主義の両親に捨てられた僕の物語ー

「……ない」

 椅子にもたれたまま、僕、神宮寺(じんぐうじ)ユウトはスマホを握る手をだらんと下ろした。

 専願で受けた国立大学。
 父さんと母さんの母校だ。
 合格者一覧に僕の番号はない。

 模試では合格圏内に入っていた。

 学校から帰れば毎日父さんがつきっきりで受験対策の講義をした。
 友達に息抜きしようと誘われても行かず、ひたすら受験勉強に費やした。

 それでも、ダメだった。
 父さんがノックもせずに入ってきた。
 背後に母さんも続く。

「どうだった?」
「……落ちた」

 その一言で、部屋の空気が一気に冷え込んだ。

「は?」

 父さんが聞いたことがないくらいの重い音を吐いた。

「……僕の受験番号、なかった」

 父さんの顔が、醜く歪んだ。

「ふざけるな!」

 パァン!

 父さんが怒鳴るのと、僕の頬に痛みが走るのは同時だった。