和樹は、唐突に前世の話を始めた。
「稔は、前世で友井和樹だった事を覚えてるよな。
俺も、前世で赤坂稔だった事を覚えてる。
前世で俺は、和樹の事をただの親友だと思っていた。
でも、和樹が俺の前から消えてから、和樹が俺の半身の様な存在だったことを理解した。
その事に気付くのがあまりに遅くて、俺は和樹と結ばれる事は無かった。
その後、高校の一時期だけ付き合っていた水流瑞樹に再会した。
お互い、熱い情熱とかは無かったけど、程々に仲良くて、その、結婚した。
だから、今でも瑞樹って名前で呼んだりはするけど、好きだからじゃない。
会っていたのも、探し物を手伝ってもらっていただけだ。
生まれ変わって、お前と出逢って、俺は、お前に惚れた。
前世の気持ちは関係なく、俺はお前が好きだ。
もし、前世の気持ちの延長線上にいるなら、もう一度考えて欲しい。
お前は、俺を好きだと思えるか?」
和樹は稔だった。
嬉しくて、でも、ちょっと意外だった。
和樹は、稔っぽい所はあまり感じなかったから。
前世の気持ちの延長上か。
それは、多分違うな。
だって、俺は和樹の事を自分だと思って見ていたんだから。
稔だなんて思ったことが無かった。
最近は、全くの別人かも知れないって思いながらも、他の奴に手を出されたくないと思った。
でも、これだけはちゃんとハッキリ言っておかないとだな。
「俺は、一人の人間として、お前が好きだよ。でも、でも、ちょっとまだ、お前を抱きたいっていう気持ちは、無いんだ。その、他の奴に触られたくないとか、俺以外のやつに優しくしないで欲しいとか、俺を一番優先して欲しいとか、そういうワガママな気持ちばっかりなんだけど。でも、お前を幸せにしたいって思ってる」
触りたいな、とか、チューしたいな、とかは思う時はあるんだけど。
抱きたいなとかは、ちょっとまだ思ったことが無くて。
そこだけは、ちょっと、もうちょっと待っていて頂きたい所存だ。
「……そう、か。」
和樹が、ちょっと驚きながら考え込む。
そうだよな。男が肉欲なしに好きとか言っても理解できないよな。
「因みに、俺は、お前を抱きたいと思っているんだけど。そっちは想像した事あるか?」
……ん?そっち?
…………え?俺が抱かれる方?!
考えた事も無かった事を言われて、思わず和樹の全身を上から下までジロジロ見てしまった。
和樹を俺が抱くんじゃなくて、俺が和樹に抱かれる?
ブワッと顔に血が集まってくるのが自分でもハッキリと分かった。
和樹が、とても嬉しそうに顔を綻ばせる。
何でそんなに嬉しそうなんだよ。別に、何も言ってないだろ。
「そうか。まぁ、今まで待ったんだから、あと数年くらいは待ってやるよ。大学生になったら、一緒に部屋でも借りて住もうな」
何も答えてないのに、頭を撫でるな。
わしわしと無遠慮に頭を撫でてくる手を振り払いたいのに、その手がちょっと嬉しい気もして、何も出来ずに撫でられるがままになってしまった。
「って言うか。お前、出会い系とか登録して、どういうつもりだよ」
居た堪れない空気に耐え切れず、ついアプリの話を掘り返してしまった。
今、そんな話は掘り返すべきじゃなかったなとも思うけど、もう居た堪れなさ過ぎてどうしようもなかった。
「いや、登録はしてない。調べてただけだ。稔こそ、そんなの登録するなよ」
と、返されてしまった。
確かに。QRコードが印刷されたのを置いていただけで、アプリを起動していた訳じゃない。
「俺だって、気になって調べただけで、アプリも入れてない」
アプリを検索した画面が開いていただけで、俺だって登録していない。
俺がつけていた画面に、入手って書いてあることが証拠だ。
デデンとスマホを和樹に見せたら、また頭を撫でられた。さっきから何だ。子供扱いか。
「あーー!そう言えば!さっき、水流さんとけ、け、け、結婚したとか言ってたよな!」
俺たちには、まだまだ話し合わなければならない事がたくさんあるようだ。
「稔は、前世で友井和樹だった事を覚えてるよな。
俺も、前世で赤坂稔だった事を覚えてる。
前世で俺は、和樹の事をただの親友だと思っていた。
でも、和樹が俺の前から消えてから、和樹が俺の半身の様な存在だったことを理解した。
その事に気付くのがあまりに遅くて、俺は和樹と結ばれる事は無かった。
その後、高校の一時期だけ付き合っていた水流瑞樹に再会した。
お互い、熱い情熱とかは無かったけど、程々に仲良くて、その、結婚した。
だから、今でも瑞樹って名前で呼んだりはするけど、好きだからじゃない。
会っていたのも、探し物を手伝ってもらっていただけだ。
生まれ変わって、お前と出逢って、俺は、お前に惚れた。
前世の気持ちは関係なく、俺はお前が好きだ。
もし、前世の気持ちの延長線上にいるなら、もう一度考えて欲しい。
お前は、俺を好きだと思えるか?」
和樹は稔だった。
嬉しくて、でも、ちょっと意外だった。
和樹は、稔っぽい所はあまり感じなかったから。
前世の気持ちの延長上か。
それは、多分違うな。
だって、俺は和樹の事を自分だと思って見ていたんだから。
稔だなんて思ったことが無かった。
最近は、全くの別人かも知れないって思いながらも、他の奴に手を出されたくないと思った。
でも、これだけはちゃんとハッキリ言っておかないとだな。
「俺は、一人の人間として、お前が好きだよ。でも、でも、ちょっとまだ、お前を抱きたいっていう気持ちは、無いんだ。その、他の奴に触られたくないとか、俺以外のやつに優しくしないで欲しいとか、俺を一番優先して欲しいとか、そういうワガママな気持ちばっかりなんだけど。でも、お前を幸せにしたいって思ってる」
触りたいな、とか、チューしたいな、とかは思う時はあるんだけど。
抱きたいなとかは、ちょっとまだ思ったことが無くて。
そこだけは、ちょっと、もうちょっと待っていて頂きたい所存だ。
「……そう、か。」
和樹が、ちょっと驚きながら考え込む。
そうだよな。男が肉欲なしに好きとか言っても理解できないよな。
「因みに、俺は、お前を抱きたいと思っているんだけど。そっちは想像した事あるか?」
……ん?そっち?
…………え?俺が抱かれる方?!
考えた事も無かった事を言われて、思わず和樹の全身を上から下までジロジロ見てしまった。
和樹を俺が抱くんじゃなくて、俺が和樹に抱かれる?
ブワッと顔に血が集まってくるのが自分でもハッキリと分かった。
和樹が、とても嬉しそうに顔を綻ばせる。
何でそんなに嬉しそうなんだよ。別に、何も言ってないだろ。
「そうか。まぁ、今まで待ったんだから、あと数年くらいは待ってやるよ。大学生になったら、一緒に部屋でも借りて住もうな」
何も答えてないのに、頭を撫でるな。
わしわしと無遠慮に頭を撫でてくる手を振り払いたいのに、その手がちょっと嬉しい気もして、何も出来ずに撫でられるがままになってしまった。
「って言うか。お前、出会い系とか登録して、どういうつもりだよ」
居た堪れない空気に耐え切れず、ついアプリの話を掘り返してしまった。
今、そんな話は掘り返すべきじゃなかったなとも思うけど、もう居た堪れなさ過ぎてどうしようもなかった。
「いや、登録はしてない。調べてただけだ。稔こそ、そんなの登録するなよ」
と、返されてしまった。
確かに。QRコードが印刷されたのを置いていただけで、アプリを起動していた訳じゃない。
「俺だって、気になって調べただけで、アプリも入れてない」
アプリを検索した画面が開いていただけで、俺だって登録していない。
俺がつけていた画面に、入手って書いてあることが証拠だ。
デデンとスマホを和樹に見せたら、また頭を撫でられた。さっきから何だ。子供扱いか。
「あーー!そう言えば!さっき、水流さんとけ、け、け、結婚したとか言ってたよな!」
俺たちには、まだまだ話し合わなければならない事がたくさんあるようだ。


