結局、俺はサイトに登録する勇気が無かった。
もし、彼を見つけてしまったら、当時の欲望まで思い出してしまう気がした。
もちろん、今の自分は和樹にそんな欲望を抱いたりはしていない。
そもそも、前世の和樹が稔に欲望を抱いていたのであって、稔が和樹に欲望を抱く理由も無いんだけど。でも、何となく。
当時の気持ちを思い出してしまいそうで怖かった。
だが、和樹がこのサイトを調べていたことは事実だ。
和樹があんないかがわしいサイトに登録するなど、見過ごせるわけがない。
と言うか、こんなサイトに興味持つって事は、本当に水流さんとは何もないのか?
昨日の勉強会でも、そこまで仲良い感じに見えなかったし。
え、もしかして、俺、和樹に酷い事した?
勘違いして、メッセージ無視して、電話無視して、来てくれたのも追い返して、昨日も朝に話しかけてくれたの遮って。
ヤバい。酷い事しかしてない。
うわ~、マジか。ホントごめん、和樹。
今となっては、なんであんなにイライラしていたのか理解できない。
酷い態度すぎる。マジで申し訳ない。
どうしよう。
謝ろうかな。
でも、いきなり態度コロッと変えて謝ってくるとかウザいって思われるかな。
いや、和樹はそんなこと思わないだろうけど、でも、一般的にさ。
イライラぶつけといて自分がスッキリしたら謝って無かった事にするとか、ふざけんなって感じするよな。
だからって、謝りもせずに反省しているだけじゃ何もならないし。
いや、本当、ウザすぎたな、俺。
こんなん、和樹も普通に愛想尽かしていてもおかしくない。
せめて、和樹が家に来てくれた時に会って話し合っていたら。
いや、たらればとか言っている場合じゃないな。
会いに行くか。
あ、でも、またマンションで水流さんと一緒に居る所とか見ちゃったら。
いや、たとえ、水流さんと一緒に居たところで、それはそれだ。
和樹もそういう関係じゃないって言っていたよな。
……言って、た、よな?
いや、言っていたはずだ。
ほら、瑞樹とはそんな関係じゃないって。
瑞樹、って、呼んで。
何で、下の名前を呼び捨てで呼んでいたんだろう。
やっぱり、何か特別な存在なのかな。
……じゃなくて!
落ち着け、俺。頑張れ、俺。
和樹の事は俺が一番よく知っているはずだ。
俺の前世が和樹じゃなかったとしても、和樹と一番一緒に居たのは俺なんだから。
例えば水流さんが、和樹と何かしらの秘密を共有していたとしても、俺以上に和樹の事を知っている訳じゃないだろ。多分。
分かんないけど。
兎に角。
会いに行こう。和樹に。
意を決してやってきた和樹のマンション。
エントランスまですんなりと入れた。
和樹と会う事も、水流さんを目撃する事も無い。
ちなみに、俺はこのマンションに顔認証登録しているので、所謂顔パスだ。
一応、コンシェルジュさんにも確認されるけどね。
「和樹君はお出掛け中ですけど、どうされますか?」
何と。気合い入れてきたのに空振りらしい。
「あ~、そうなんですか。ちょっと、思い立って出てきちゃったから……」
うわ~、そういう事もあるか~。どうしよう~。
と悩んでいたら、コンシェルジュさんが電話で和樹の親父さんに確認してくれたようで、『すぐに戻られるとの事なので、部屋でお待ちくださいとの事ですよ』と提案してくれた。
和樹の親父さんが居るんなら、ちょっと待たせてもらっても良いか。
昔から、何度も来慣れているからか、特に抵抗もなくお邪魔させてもらった。
当たり前のように和樹の部屋に通されて、ペットボトルのお茶を渡された。
「和樹が悪いんだろうけど、そろそろ許してやってよ。あいつ、稔君に嫌われたら死にそうだからさ」
とか言う言葉とともに。
いや、悪いのは俺なんだけど。と弁明するタイミングも与えられず閉められた扉に、伸ばした俺の手が虚しかった。
もし、彼を見つけてしまったら、当時の欲望まで思い出してしまう気がした。
もちろん、今の自分は和樹にそんな欲望を抱いたりはしていない。
そもそも、前世の和樹が稔に欲望を抱いていたのであって、稔が和樹に欲望を抱く理由も無いんだけど。でも、何となく。
当時の気持ちを思い出してしまいそうで怖かった。
だが、和樹がこのサイトを調べていたことは事実だ。
和樹があんないかがわしいサイトに登録するなど、見過ごせるわけがない。
と言うか、こんなサイトに興味持つって事は、本当に水流さんとは何もないのか?
昨日の勉強会でも、そこまで仲良い感じに見えなかったし。
え、もしかして、俺、和樹に酷い事した?
勘違いして、メッセージ無視して、電話無視して、来てくれたのも追い返して、昨日も朝に話しかけてくれたの遮って。
ヤバい。酷い事しかしてない。
うわ~、マジか。ホントごめん、和樹。
今となっては、なんであんなにイライラしていたのか理解できない。
酷い態度すぎる。マジで申し訳ない。
どうしよう。
謝ろうかな。
でも、いきなり態度コロッと変えて謝ってくるとかウザいって思われるかな。
いや、和樹はそんなこと思わないだろうけど、でも、一般的にさ。
イライラぶつけといて自分がスッキリしたら謝って無かった事にするとか、ふざけんなって感じするよな。
だからって、謝りもせずに反省しているだけじゃ何もならないし。
いや、本当、ウザすぎたな、俺。
こんなん、和樹も普通に愛想尽かしていてもおかしくない。
せめて、和樹が家に来てくれた時に会って話し合っていたら。
いや、たらればとか言っている場合じゃないな。
会いに行くか。
あ、でも、またマンションで水流さんと一緒に居る所とか見ちゃったら。
いや、たとえ、水流さんと一緒に居たところで、それはそれだ。
和樹もそういう関係じゃないって言っていたよな。
……言って、た、よな?
いや、言っていたはずだ。
ほら、瑞樹とはそんな関係じゃないって。
瑞樹、って、呼んで。
何で、下の名前を呼び捨てで呼んでいたんだろう。
やっぱり、何か特別な存在なのかな。
……じゃなくて!
落ち着け、俺。頑張れ、俺。
和樹の事は俺が一番よく知っているはずだ。
俺の前世が和樹じゃなかったとしても、和樹と一番一緒に居たのは俺なんだから。
例えば水流さんが、和樹と何かしらの秘密を共有していたとしても、俺以上に和樹の事を知っている訳じゃないだろ。多分。
分かんないけど。
兎に角。
会いに行こう。和樹に。
意を決してやってきた和樹のマンション。
エントランスまですんなりと入れた。
和樹と会う事も、水流さんを目撃する事も無い。
ちなみに、俺はこのマンションに顔認証登録しているので、所謂顔パスだ。
一応、コンシェルジュさんにも確認されるけどね。
「和樹君はお出掛け中ですけど、どうされますか?」
何と。気合い入れてきたのに空振りらしい。
「あ~、そうなんですか。ちょっと、思い立って出てきちゃったから……」
うわ~、そういう事もあるか~。どうしよう~。
と悩んでいたら、コンシェルジュさんが電話で和樹の親父さんに確認してくれたようで、『すぐに戻られるとの事なので、部屋でお待ちくださいとの事ですよ』と提案してくれた。
和樹の親父さんが居るんなら、ちょっと待たせてもらっても良いか。
昔から、何度も来慣れているからか、特に抵抗もなくお邪魔させてもらった。
当たり前のように和樹の部屋に通されて、ペットボトルのお茶を渡された。
「和樹が悪いんだろうけど、そろそろ許してやってよ。あいつ、稔君に嫌われたら死にそうだからさ」
とか言う言葉とともに。
いや、悪いのは俺なんだけど。と弁明するタイミングも与えられず閉められた扉に、伸ばした俺の手が虚しかった。


