俺が俺に惚れてる

何故だ?
割と強引に和樹の家に決まってしまった。
別に俺は大丈夫だけど、みんなは大丈夫なんだろうか?
と言うか、なぜ和樹はそこまでして俺の家に集合したくなかったんだろうか?

まぁ、和樹が良いというなら良いのだろう。
GW(ゴールデンウィーク)みたいに、楽しく出来たら嬉しい。


そして夏休み序盤。
みんなで約束した勉強会は夏休み中盤なので、それまでは特に何の予定もない。
和樹を誘っても断られるだろうし。
と卑屈にいじけていたら、和樹の方から誘われた。

【久しぶりに、島(しま)とか、行くか?】

え?
マジで?!
最近、普通に遊ぶのすら躊躇っていたくせに、そんなとこ一緒に行ってくれるのか?!

【マジ?!】
【絶対行く!!】

びっくりスタンプに、出かけるスタンプに、島スタンプ。
三つもスタンプを連投してやった。
めちゃくちゃテンションが上がってきた。
何だよ、やっぱり和樹も俺と遊びたかったんだろ。しょうがない奴だなぁ~。

直接話したくなったので、『母さん、ちょっと和樹のとこ行ってくる!』と叫びながら、家を飛び出して和樹の家に向かった。
どこの島に行くつもりなんだろう。佐渡かな?それとも、広島の方のやつかな?
もっと南の、ザ・観光地っていう所だったりするのかな?
いや、最近は淡路島も観光に力入れているし、夏休みだからそういう広い所かも。

なんて、あれこれ考えながらウキウキして辿り着いた和樹のマンション前。
そこには、和樹と水流さんが居た。

……
…………
………………は?

付き合っている系の噂はさんざん聞いていたけど、実際に一緒にいる所は始めて見た。
今一緒にいるって事は、俺にメッセージ送った時も一緒にいたって事で。
俺にメッセージ送ったのも、水流さんと一緒にいる時って事で。

は?
……いや。は?
落ち着いてなんていられないよな。
ここは、落ち着いて深呼吸する場面じゃないよな。

いやでも、怒鳴りこむ場面でもないか。
それは、そうだよな。別に、俺が怒る必要もないな。
いや、でも。……はぁ?
怒りしか湧かないんだけど。

ダメだ。今はダメだ。
何か変な事ばっかり言いかねない。
いったん、この場は離れよう。

ひとまず、近くの児童公園みたいな所にやってきた。
少子化の影響か、夏休みの午前中だというのに、子供はいない。
いや、少子化より地球温暖化の影響か。
俺の剥き出しの腕もじりじりと焼かれているのが分かる。

和樹の家に着いたら、すぐにロビーに入る予定だったから、長袖なんて着てないし日焼け止めも塗ってない。日傘なんて持っている訳もなく。
俺のなまっちろい腕が、紫外線にやられてがん細胞をモリモリ作成している気がする。

何か、弱いなぁ~。
何がとか分かんないけど。なんか、弱いわぁ~。俺。
何でだろ。何でこんなに、感情ジェットコースターなんだろ。

ヤダなぁ~。
なんかもう、ホントやだ。
何で俺、泣きそうなんだろう。