「学生証は持って来たか?」
開口一番がそれって、どういう料簡だよ。
まぁ、出がけに和樹のメッセージで気付いたので何にも言えないが。
「ギリでな。」
リュックを叩いて持って来たことをアピールすると、和樹は満足そうに頷いた。
和樹は時々、俺の保護者なんじゃないかと思う。
そこからは、特に何の盛り上がりも無く普通にどうでもいい事を話しながら駅へ向かった。
和樹の服装も特にいつも通りだし、張り切っている感じも無い。
いやに乗り気だと思ったのは、俺の勘違いだったんだろうか。
駅の集合場所には、既に全員揃っていた。俺と和樹が最後だ。
全員、ちゃんと動ける格好だし、学生証も忘れていないか確認して準備万端だ。
『よっしゃ行くか』と最後に一口、持参したペットボトルのお茶を飲んでいたら、堤谷が『一口くれ』と言い出した。
「何で?買えよ」
何を隠そう俺は、回し飲みとか回し食べとかが苦手だ。
和樹の弁当を毎日強奪しているくせにって言われる事もあるけど、それはまた別の話だ。
だって、和樹は、何と言うか、ほぼ俺だし。
いや、そんな理論が通じるとは思わないけど、でも、だって、そうなんだから仕方ない。
「そうだな、今買っておいた方が良いだろうな。向こうで買おうと思ったら並ぶだろうから、買うなら今のうちの方がいい。何なら、二本くらい買っておいた方が良いかもな」
和樹がすかさずフォローしてくれる。
そう言えば、俺も昔はこうやって頑なに回し飲みしたがらない稔のフォローをしたな。
確か、母親に虫歯がうつるからやめとけって言われた事があったとか、そんな理由だったな。
今の俺は、理由とか全く覚えてなかったけど、そう言えば、小学校くらいの時にそんなこと言ったような気もする。
兎にも角にも、特に嫌な雰囲気になる事も無く、みんなでとりあえず一本は飲み物を確保して行くことになった。
ちょっとつまめるお菓子とかも買って、遠足気分だ。
一本見送って、三人分の座席を確保して乗った電車では、自己紹介みたいな感じになった。
女子三人が座って、男三人が前に立っている感じ。見下ろされて怖くないかなとか思ったけど、特に怖がっている様子も無くて安心した。
自己紹介と言っても、ほぼほぼ顔見知りなので、軽い感じで終わった。
直接知らないのは、堤谷と男バスマネージャーの菖蒲かと思っていたんだけど、この二人は去年同じクラスだったらしい。
一番接点がないのは、和樹と水流さんだな。
でも、和樹は接点があろうと無かろうと、大抵の女子に興味ないから知り合いとか関係ないだろう。木谷さんとどういう感じになるのかはちょっと気になるけど。
だからと言って、和樹は『お前、俺に告白してきたよな』とか言うような馬鹿じゃないし、多分その話は話題に上る事は無いだろうから、一旦忘れていよう。
他に、特筆すべき会話は無かった。
これから行くところの話ばっかりだ。
駅に着いたら、別の入り口まで歩いて、そこから自転車借りるという確認。
自転車が苦手と言う人はいないようで、みんな大丈夫そう。
タンデムを借りても良いかと思ったけど、一日券が無さそうだから辞めようかとか。
ネモフィラとかポピーとかが咲いているみたいだよとか。
ネモフィラはちょっとピークを過ぎているけど、パッと見はまだ綺麗だってネットに書いてあったとか。
遊具とかもあるらしいとか。
アプリでこんな事が出来るらしいよとか。
基本的には堤谷がずっと喋っていた。非常に有難い。
俺と和樹は、たまに突っ込んだり聞かれた事に応えたりするだけで緊張も解れた。
一つのグループに一人は欲しい人材である。
開口一番がそれって、どういう料簡だよ。
まぁ、出がけに和樹のメッセージで気付いたので何にも言えないが。
「ギリでな。」
リュックを叩いて持って来たことをアピールすると、和樹は満足そうに頷いた。
和樹は時々、俺の保護者なんじゃないかと思う。
そこからは、特に何の盛り上がりも無く普通にどうでもいい事を話しながら駅へ向かった。
和樹の服装も特にいつも通りだし、張り切っている感じも無い。
いやに乗り気だと思ったのは、俺の勘違いだったんだろうか。
駅の集合場所には、既に全員揃っていた。俺と和樹が最後だ。
全員、ちゃんと動ける格好だし、学生証も忘れていないか確認して準備万端だ。
『よっしゃ行くか』と最後に一口、持参したペットボトルのお茶を飲んでいたら、堤谷が『一口くれ』と言い出した。
「何で?買えよ」
何を隠そう俺は、回し飲みとか回し食べとかが苦手だ。
和樹の弁当を毎日強奪しているくせにって言われる事もあるけど、それはまた別の話だ。
だって、和樹は、何と言うか、ほぼ俺だし。
いや、そんな理論が通じるとは思わないけど、でも、だって、そうなんだから仕方ない。
「そうだな、今買っておいた方が良いだろうな。向こうで買おうと思ったら並ぶだろうから、買うなら今のうちの方がいい。何なら、二本くらい買っておいた方が良いかもな」
和樹がすかさずフォローしてくれる。
そう言えば、俺も昔はこうやって頑なに回し飲みしたがらない稔のフォローをしたな。
確か、母親に虫歯がうつるからやめとけって言われた事があったとか、そんな理由だったな。
今の俺は、理由とか全く覚えてなかったけど、そう言えば、小学校くらいの時にそんなこと言ったような気もする。
兎にも角にも、特に嫌な雰囲気になる事も無く、みんなでとりあえず一本は飲み物を確保して行くことになった。
ちょっとつまめるお菓子とかも買って、遠足気分だ。
一本見送って、三人分の座席を確保して乗った電車では、自己紹介みたいな感じになった。
女子三人が座って、男三人が前に立っている感じ。見下ろされて怖くないかなとか思ったけど、特に怖がっている様子も無くて安心した。
自己紹介と言っても、ほぼほぼ顔見知りなので、軽い感じで終わった。
直接知らないのは、堤谷と男バスマネージャーの菖蒲かと思っていたんだけど、この二人は去年同じクラスだったらしい。
一番接点がないのは、和樹と水流さんだな。
でも、和樹は接点があろうと無かろうと、大抵の女子に興味ないから知り合いとか関係ないだろう。木谷さんとどういう感じになるのかはちょっと気になるけど。
だからと言って、和樹は『お前、俺に告白してきたよな』とか言うような馬鹿じゃないし、多分その話は話題に上る事は無いだろうから、一旦忘れていよう。
他に、特筆すべき会話は無かった。
これから行くところの話ばっかりだ。
駅に着いたら、別の入り口まで歩いて、そこから自転車借りるという確認。
自転車が苦手と言う人はいないようで、みんな大丈夫そう。
タンデムを借りても良いかと思ったけど、一日券が無さそうだから辞めようかとか。
ネモフィラとかポピーとかが咲いているみたいだよとか。
ネモフィラはちょっとピークを過ぎているけど、パッと見はまだ綺麗だってネットに書いてあったとか。
遊具とかもあるらしいとか。
アプリでこんな事が出来るらしいよとか。
基本的には堤谷がずっと喋っていた。非常に有難い。
俺と和樹は、たまに突っ込んだり聞かれた事に応えたりするだけで緊張も解れた。
一つのグループに一人は欲しい人材である。


