彼女が亡くなって一ヶ月が経ったある日のこと。
彼女のスマホを通して、彼女の母親から連絡があった。渡したい物があるから来て欲しいと。
今日は土曜日で学校も休みだったため、朝から自転車に乗って行かせてもらうことにした。
「ごめんね、煌君。急に呼び出しちゃって」
「いえ。それより、もう……大丈夫なんですか?」
「まだ実感湧かないけどね。今持ってくるわ」
それもそうだ。娘が十七歳という若さで命を落としたんだ。無理もない。
一ヶ月前、彼女の病室の前で待機している時に、母子家庭だと言うことを聞いた。
父親は事故で亡くなったらしい。娘をも亡くして、彼女の母親は精神的にもだいぶキてるはずなのに。
「あったあった。栞から預かっていたの。私が死んだら、渡して欲しいって」
「……ありがとうございます」
彼女の母親越しにダンボールの山が見えた。ということは、多分そういうことなのだろう。
僕はが飛ばされないようにカバンに入れ、自転車で家へと戻る。


