余命半年の君と、一冊分の恋をした


それから僕は、鳴宮さんに新作を書くという連絡をして、担任と元井にも、明日から一月末まで学校を休むという連絡を入れた。

プロットを作り、白石栞というヒロインを入れて、今までの彼女との日々を思い出しながら、書き始めていく。

元井が合鍵で差し入れを持ってきてくれたり、鳴宮さんが気にかけの電話をくれたりと、いろいろしてくれた。

執筆が始まってからは手が止まらず、休憩がてらお風呂入ったり仮眠をとったりしている間に、いつの間にか、冬休み期間に入っていた。


〈明日、14時に駅前集合ね!〉
〈いいけど、体調は大丈夫なの?〉
〈大丈夫!って言っても、病院周辺だけどね〉


文面だけはいつもの明るさと変わらない彼女に返信をして、僕は久々に深い眠りに着いた。

そして翌朝、僕は出かける準備をしてから、出発ギリギリまで執筆をした。


「木目君!こっちこっち!」


駅に向かい、手を振る彼女の恰好はすごく可愛く、オシャレだった。

軽く手を振り、彼女の元へ向かう。


「今日はどこに行くの?」
「んーっとね、決めてない!」
「決めてないの?」
「うん!でも、行き当たりばったりの方が楽しくない?」


と笑う彼女の笑顔は、病気のことを忘れさせるぐらいに明るい。

でも、無理はできないため、彼女からは予め病院の電話番号を聞いておいた。何かあった時のためだ。

できれば、何事もなくこの冬休みを終えて欲しい。ただそれだけを願って、この冬休み期間は思う存分楽しもう。

彼女との思い出を残すために。