このあと、勇助の妹らしからぬ妹の和を連れてスーパーで買い物をしたが、和は目を離すとすぐに脱走を企てようとして、それはもう大変だった。勇助はいつもこんなハードクエストをこなしているのだろうか。
「はじめさんのお陰で、和を探すロスタイムもなく、『お一家族さま一点限り』の卵も二パック買えて非常に助かりました! ありがとうございます」
「……そりゃ良かった」
初は特売卵の追加購入要員として呼ばれたのかと一瞬ガクッときたが、勇助がこの上なく嬉しそうなので、それでもいいかと思い直してレジ袋を握りしめた。
「和、今日は卵がたくさんあるから、いつものペラペラオムライスをフワフワオムライスにできるよ!」
「ほんと? やったあ!! フワッフワッ」
和が「フワフワ」を連呼しながらスーパーを出ようとしたところ、勇助が謎の調理器具の実演販売に捕まった。
分割プランまで持ち出して高額な器具を勧めてくる販売員に言いくるめられ、その場を離れられなくなってしまった勇助に代わって「そんなもんに割く金も需要もねーから」と一蹴すると、初は二人を引き連れて店の外に出た。
「あんなの、どう考えたって今必要なモンじゃねーだろ」
「確かに。はじめさんがいてくれて助かりました! ありがとうございます」
「……別に」
道中「つかれたおんぶ」と駄々をこねる和をあしらいつつ、頭の中は勇助の人の良さが搾取の対象として狙われたことへの憤りと懸念で渦巻いていた。
この調子だと、将来高値で怪しい壺とかを売りつけられまくって、部屋中が壺と借金の督促状まみれになっててもおかしくないと思いながら勇助を見ていると、
「着きました! 狭苦しい所ですがどうぞ」
ボロい木造一軒家の前で立ち止まった勇助が、鍵を回して玄関のドアを開けた。その瞬間、
「うわあああ! なんだこれ」
視界に飛び込んできたのは、靴箱やカラーボックスに所狭しと並べ置かれた、たくさんの奇怪な壺や皿だった。
「ゆ、勇助……お前、このヘンテコな壺や皿は」
「? ああ、これですか?」
靴を脱いだ勇助が、やたら攻めたデザインの花瓶らしき壺を手に取った。
「ここに置いてある陶器は、すべて父の作品です」
「……へ?」
「うちの父、陶芸家なんです。
と言っても鳴かず飛ばずなので、普段は陶芸教室の講師をしていますが」
「はじめさんのお陰で、和を探すロスタイムもなく、『お一家族さま一点限り』の卵も二パック買えて非常に助かりました! ありがとうございます」
「……そりゃ良かった」
初は特売卵の追加購入要員として呼ばれたのかと一瞬ガクッときたが、勇助がこの上なく嬉しそうなので、それでもいいかと思い直してレジ袋を握りしめた。
「和、今日は卵がたくさんあるから、いつものペラペラオムライスをフワフワオムライスにできるよ!」
「ほんと? やったあ!! フワッフワッ」
和が「フワフワ」を連呼しながらスーパーを出ようとしたところ、勇助が謎の調理器具の実演販売に捕まった。
分割プランまで持ち出して高額な器具を勧めてくる販売員に言いくるめられ、その場を離れられなくなってしまった勇助に代わって「そんなもんに割く金も需要もねーから」と一蹴すると、初は二人を引き連れて店の外に出た。
「あんなの、どう考えたって今必要なモンじゃねーだろ」
「確かに。はじめさんがいてくれて助かりました! ありがとうございます」
「……別に」
道中「つかれたおんぶ」と駄々をこねる和をあしらいつつ、頭の中は勇助の人の良さが搾取の対象として狙われたことへの憤りと懸念で渦巻いていた。
この調子だと、将来高値で怪しい壺とかを売りつけられまくって、部屋中が壺と借金の督促状まみれになっててもおかしくないと思いながら勇助を見ていると、
「着きました! 狭苦しい所ですがどうぞ」
ボロい木造一軒家の前で立ち止まった勇助が、鍵を回して玄関のドアを開けた。その瞬間、
「うわあああ! なんだこれ」
視界に飛び込んできたのは、靴箱やカラーボックスに所狭しと並べ置かれた、たくさんの奇怪な壺や皿だった。
「ゆ、勇助……お前、このヘンテコな壺や皿は」
「? ああ、これですか?」
靴を脱いだ勇助が、やたら攻めたデザインの花瓶らしき壺を手に取った。
「ここに置いてある陶器は、すべて父の作品です」
「……へ?」
「うちの父、陶芸家なんです。
と言っても鳴かず飛ばずなので、普段は陶芸教室の講師をしていますが」

